ストレスを感じないで生きている人は、もはやどこにもいないのではないかと思われるほど、誰もかもがストレスに取り巻かれて暮らしている。そんな感じの日本で、自分なりにストレスをコントロールするコツを身につけるにはどうしたらいいのかと悩んでいる人が、たくさんいます。

 では、何をどうすることが、ストレスコントロールなのでしょうか。今日はそれをお話ししてみようと思います。

振り子のひもを調整する

 ストレスコントロールは、振り子のひもを調節するようなものですと、わたしは説明しています。

 振り子のひもの先には、錘(おもり)がついています。それがあなた自身だと思ってください。錘が左右に揺れていること、それが生きていること、生活をしていることだと思ってください。

 長いひもの先に錘をつけて、大きく左右に振ろうと思ったら、それに見合った大きな力が必要です。大きな力で振れば、錘も左右に大きく揺れ、自分は右へ、左へと、描く円弧の先はそれぞれ遠く離れています。

 その揺れの大きさを意識しながらバランスをとるには、エネルギーをどのくらい送り続ければいいのかを知っていなければなりません。ひもの長さとつりあいが取れるぐらいの大きさのエネルギーがあるうちはいいのですが、疲れているのに、ずっと大きく振り子を振り続けようとしている状態が、ストレスをためながら生活をしている状態なのです。

 大きく振ろうとしても、くたびれてしまい、次第に揺れが小さくなっていきます。これが元気がなくなっていく状態だと思ってください。ストレスがたまって、疲れて、力が入らない。振り子を揺らす力がないのです。なのに、同じ長さのひもで、同じ重さの錘(自分)を揺らそうとしている。ずっと同じひもの長さで左右に振ろうと頑張ろうとして、ひもが切れて錘がどこかに飛んでしまったり、左右の揺れのバランスが取れなくて、振り子の振り方がわからなくなってしまったりと、これが身体に異常がでてきている状態と同じだと想像していただきたいのです。