いよいよダビング10がスタートすることになった。地デジの複製に関する問題は、数年前から延々とすったもんだが繰り返されている。ダビング10で、問題がすべて解決しているとは言い難いが、良い方向に向かう第一歩といっても過言ではないだろう。

 ダビング10を簡単におさらいすると、録画した地デジの番組データを、9回書き出せる機能だ。最後の1回はムーブとなって、録画したレコーダーからは消えてしまう。

 それまでは、基本的に1回ムーブできるだけだったのに比べると、大きな進化だ。ダビング10登場に合わせて、レコーダーやテレビパソコンが対応をアナウンスしている。いわゆる「ダビング10待ち」で買い控えていた人もいるだろう。では、ダビング10が始まると、どんな使い方にメリットが出るのだろうか。今回は、ダビング10がどんな用途に役立つのか検証していくこととしよう。

ハードディスクの
利便性にはかなわない

 番組データの書き出しと言えば、当然ディスクを思い浮かべるのが普通だ。DVDやBDディスクに書き出して保存版のライブラリを作ろうと考える人は多いはずだ。こんな用途には、まさにダビング10が向いている。もし不安なら、複数のディスクに書き出しておくこともできる。ただ、実際にハードディスクレコーダーを使いこなしている人に話を聞くと、使い慣れてしまうと、とてもディスクで視聴する気にはならないという。僕も気持ちはよくわかる。大量のテレビ番組を記録しておき、好きなときに再生できるハードディスクの利便性に、ディスクはかなわないのだ。

 ダビング10では、携帯機器への書き出しもとても便利になりそうだ。携帯電話や携帯音楽プレーヤーに番組を書き出して、外出先で視聴できるようになるだろう。特にアナログ画質でのコピーなら回数制限もない。まさにダビング10向きの作業だが、実は、レコーダーの得意分野とはいえない。レコーダーでは、購入後、数年経って登場した最新携帯機器に書き出せる可能性は少ないだろう。この作業は、テレビパソコンの得意分野だ。ドライバーを追加すると、あらゆる機器がつながり、テレビ番組を転送できる可能性も高い。