最近の音楽に何か物足りなさを感じることはありませんか?

 確かに、演奏能力や歌唱力は格段に上手くなりました。楽曲も、過去のヒット曲の美味しいところをしっかりと掴んで結構心に染みます。デジタル革命のおかげで録音段階での少々のミスはコンピューターで簡単に修正でき、音響技術も飛躍的な発展を遂げ、音質も抜群に良いのです。

 でも、どこかお行儀が良過ぎている感があります。マニュアル化されているというか。

 だから、ロックが未だ巨大な芸能産業に蝕まれる以前に有していた自由気ままで奔放なサウンドが妙に懐かしくなります。そんな古き良き時代のロックには強烈な野性味があるのです。サウンドに耳を傾けると、激しく巨大な音の洪水の中に優雅さや癒しが潜んでいるのが分かるはずです。

【オールマン・ブラザース・バンド<br />「フィルモア・イースト・ライブ」】<br />バンドが一体となって躍動する、熱狂のライブ演奏

 と、いうわけで、今週の音盤はオールマン・ブラザーズ・バンド「フィルモア・イースト・ライブ」(写真)です。