【提言7】シニアのモチベーションアップには
「役立ち感」「承認」「自己成長感」が重要

 シニアをどう活用するかということと関連して、忘れてならないことは、シニア個人のモチベーションをどう維持・向上させるかだ。モチベーションは仕事の対価・報酬をどんな意味や目的でとらえるかだ。職業生涯のステージに応じたモチベーションの変化は、おおよそ次のような感じだ。

■ファーストキャリア=20代~50代の役定くらいまでの上昇キャリア期
⇒昇進・昇格・昇給など出世とお金を得ることが中心のモチベーション

■セカンドキャリア=役定から定年、再雇用の65歳くらいまでの時期
⇒新たな役割で自分を活かし、長く働けることが中心のモチベーション

■サードキャリア=65歳以降の自在な働き方、地域社会や家族への貢献の時期
⇒自分が誰かの役に立っているという貢献感中心のモチベーション

 先述のキャリアの価値観軸の変動=仕事中心から、仕事・家庭・自己のバランスのとれた調和的な生き方に落ち着いていくことが理解されれば、セカンドキャリアのモチベーションはわかりやすい。これまでは昇進・昇格などいった“将来のために働き評価される”「外発的な動機づけ」から、セカンドキャリア期のそれは、“日々の仕事満足”といった「内発的な動機づけ」へと移り変わっていく。

 働くことの充実と満足を高め、その働きぶりいいね、という「承認」と、あなたのおかげで助かってますよという「役立ち感」を感じてもらうことだ。これに先述の自己の職業人生の作品的完成感があれば「自己成長感」につながり、モチベーションを持続的に高めていくことも出来よう。

 シニアの動機付けは、本人による「セルフモチベーション」が基本だが、この“本人の中にある答え”に気付かせる上司やカウンセラーなど外部からの刺激も大切だ。上司は、承認と役立ち感を助長するコミュニケーションが取れれば問題はない。それがあれば、シニアの部下は、日々の仕事満足を自分なりに内省し、明日も元気にやろう、と自分を励まし続ける。この辺りは上司のシニア活用・活性化研修でしっかりとスキルを磨いてほしいところだ。

 これから増え始めるシニア活用を考えたとき、現実的で有効な対策の一つは、シニア向けのキャリアデザイン研修とともに、「シニアの雇用&キャリアアドバイザー」だろう。筆者の個人的イメージでいえば、そのアドバイザーが担う要件と機能は、次のようなものだろう。

*人事担当者としての見識・実務経験とキャリアカウンセラーの知識・技能を持ち
*社内の組織や工場等の現場と自社人材の職務をよく知り
*再雇用対象者の最適配置と職域・職務開発に通じ
*管理者・シニア本人の相談に対し適切な助言ができ
*シニア本人および組織管理者と配置調整、活用アドバイスができ
*シニア雇用と活用に関して人事部門や経営トップに対して改善提案を行う