三木 そうすると、ただ儲けたい、という場合の10倍は案件が集まってくる。各国を回る間に、ベネッセの取り組みを応援してくれる人々が増えて、彼らがどんどん紹介してくれるんですよ。

「その先」のビジネスの可能性を
経営陣に問いかける

 インパクト・インベストメントに取り組む意義も、これがベネッセ社員の想いと合致していることは理解できた。しかし、投資案件としてはコストがかかるのも事実である。ではいったい経営陣にはどのように理解を求めているのだろうか。

三木 経営陣にインパクト・インベストメント案件を説明する際には、「投資が回収できます」なんて小さい話は説明していません。新興国の投資先にベネッセのノウハウを仕込み、彼らのノウハウと掛け合わせることで、他地域や他国にも展開できるビジネスという大きな“獲物”を狙えると話しています。

 取り組み始めたばかりですから、今後については未知数です。もちろん、会社の置かれている状況が悪くなったり、投資した案件が全部失敗に終わったら、やめざるを得ないでしょう。

 でもインパクト・インベストメントは、ベネッセ社員の想いと合致しているし、会社として大きく成長するきっかけになると信じているし、取り組むことは間違っていないと思っています。可能性が十分あるのに、難しいからという理由で、何もせずに諦めるのはやめましょうよ、と経営陣には言い続けています。

ゼロから自前でビジネスを
立ち上げるより効率的

インパクト・インベストメントは、イノベーティブで実行可能なビジネスモデルを考え出すきっかけを与えるツールだ、と三木部長は言う。もちろん、その投資先のビジネスを大きく育て、ベネッセがグローバルに展開できるビジネスモデルを構築することはやさしくはない。