STAP細胞騒動を巡る小保方晴子さんの会見は、一般人としては異例とも言えるほどの注目を集めた。今年に入ってから、疑惑や失言に対する謝罪・弁明を余儀なくされる著名人が目につくが、それらが適切ではなかったため、余計に物議を醸してしまった人も少なくない。「謝罪」は、時として火に油を注ぐ導火線になる一方で、相手との信頼関係をより強める起死回生策にもなり得る。あなたは常日頃から、適切な謝り方を身に付けているだろうか。著名人の騒動を教訓にしながら、「大損をしない謝り方」について考えてみよう。(取材・文/プレスラボ・小川たまか)

「立派だった」「同情を買う作戦」
賛否が分かれた小保方さんの会見

 一般人の会見としては、まさに異例のヒートアップぶりだった。

 STAP細胞の論文疑惑を巡って説明責任を問われていた理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 細胞リプログラミング研究ユニットの小保方晴子・研究ユニットリーダーが満を持して会見を開いたのは、さる4月9日のこと。

 フジテレビ系が昼のバラエティを深夜にずらして特番を組み、テレビ朝日はワイドショーの放送枠を拡大。NHKも通常の番組を変更して会見開始から生中継を行うなど、キー局がこぞって生中継を行う「特例」扱いの会見となった。中継を行った「ニコニコ生放送」は、平日の昼下がりにもかかわらず、のべ56万人ものユーザーが視聴したという。

 2時間半の会見のなかで、渦中の研究者は自らを「不勉強」「不注意」などとして謝罪を行う一方、理化学研究所に指摘された悪意ある「改ざん」や「ねつ造」は断じてないことを強調し、不服を表明した。

 STAP細胞の存在そのものにまで疑義が広がっていることもあり、会見の内容については賛否が分かれた。小保方さんが自らの非を認めた姿勢について、「謝罪したのだから、もう責めるべきではない。頑張れ」「堂々と出てきて立派だった」といった肯定的なものから、「泣きまねで同情を買っているのでは」「自分の論文の不備が発端なのに、理研に不服を申し立てるのは筋が違う」といった辛辣なものまで様々だ。