スマートフォン向けゲームの「パズル&ドラゴンズ」で急成長したガンホー・オンライン・エンターテイメント。成熟説を打ち消すために、さまざまな施策を打ち出している。

 スマートフォン向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)は、2012年2月にサービスを開始して以降、ダウンロード数が2700万を超えた。これは、スマホ所有者の実に2人に1人がダウンロードした計算で、社会現象ともいうべき大ヒットだ。

 パズドラは、パズルブロックを指で動かしモンスターを倒すというゲーム。自分のモンスターを育成・強化する他、ガチャ(一種のくじ)やイベントで、レアなモンスターを獲得できるなどの仕掛けも、ゲーム愛好家たちの心をつかんだ。

 スマホにインストールすれば無料で遊べる手軽さも、ユーザー数の拡大につながった。1個100円の魔法の石を使えば、ゲームを有利に進めることができるが、無料のままでも十分楽しめるからだ。

そんなパズドラを展開しているガンホー・オンライン・エンターテイメントの13年12月期の売上高は、1630億円で前年同期比6.3倍に、営業利益も912億円で同9.8倍となるなど、急成長を果たした(図(1))。

 売上高は業界3位、営業利益でもバンダイナムコホールディングスを抜いた。そして、時価総額で見れば、今や最大手の任天堂に次ぐ業界2位にまで成長しているほどだ(図(2))。

 利益率も高い。前期の売上高営業利益率は55.3%に達している(図(1))。スマホ向けゲームの開発費は数千万円レベルで、専用機向けゲームソフトの10分の1程度で済むことが大きい。しかも、ゲーム専用機ソフトのように、流通在庫を持つ必要もないため、販売管理費も抑えられるというわけだ。