キャリアプロデューサーの櫻井樹吏です。本日も必要な方に、この連載が届けばと思いながら書かせていただきます。

 さて、この記事が公開されるのは5月28日です。少しずつ梅雨も近づいてきている頃でしょうか。

 5月といえば、「5月病」と呼ばれているものがあります。

 一種の「適応障害」として分類されているという解説が主流のようですが、新入社員の場合であれば入社してから緊張と怒涛の4月を終え、心身ともに疲弊した状態でゴールデンウィーク突入となります。多少は無理をしながらも頑張った末の連休となると、休暇明けは当然会社へ行きたくもなくなります。もちろん私自身も経験している事ですが、きっと多くの方が同じ経験をされているのではないでしょうか。

 しかし、こうした現象は、以前にお伝えした(第8回参照)「キャリアショック」により引き起こされる場合もあります。そこでは、自分のイメージしていた職場と現実の間に大きなギャップが生じ、そのギャップにより早期で退職してしまう若者がいるという話をしたかと思います。やはり連休というのは嬉しいものである反面、実はキャリアショックを深刻にしてしまう恐ろしい面も持っているようです。

 ともあれ、この記事をお読みいただいている時点で変わらず出社されているのであれば、大丈夫かと思います。多くの方は、また環境に適応していき自然回復しているはずです。新入社員のいわば試練とも言える時期なのかもしれませんね。

自分だけが内定を貰えていない“無職ブルー”

 さて、前述のように「5月病」などで悩んでいた方もいらっしゃったかもしれませんが、実はもっと深刻な悩みを持つ方々がいます。

 それは、現時点でまだ就職が決まらず働けていない方です。

 友人を含め周りは働き始めているのに、自分だけその波に乗れていない。これはある意味、5月病よりもずっとストレスのかかる状態かもしれません。テレビを見ると、新入社員特集やアベノミクスによる給与変動の話や景気の話。そもそもその土俵にすら立てていない事が一番のストレスではないでしょうか。