「責任を取るのは当然のこと」

 武田氏の質問に対し長谷川社長は、「今、武田……、いや株主さんがおっしゃいましたように、私は常々申しております。経営者はコンプライアンスをきちんと守って結果を出すのが全てであると」と応じた。「そのコンプライアンスの部分で足元から崩れたことについては、痛恨の極みであります。二度とこのようなことが起こらないようにする所存ですが、一方で業績がきちんと期待通りに上げられないようであれば、そこで責任を取ることは当然のことであります。ウェバーも当然そのような気持ちで社長の就任を引き受ける気持ちになっていると思います」。

 その言葉を受け、武田氏は会場では矛を収めた。

 長谷川社長の言うコンプライアンス問題とは、自社医薬品に関する臨床試験で同社の不適切な関与が発覚した件である。国も調査に乗り出しており、元社員が逮捕されたノバルティス ファーマのようにさらに大問題へ発展する可能性がある。

 コンプライアンス面で失った信頼を取り戻すことは喫緊の課題。信頼という点では、外国人を中心に固められた現経営に不信を募らせる社員の人心を掌握するマネジメント、求心力の回復も急がれる。

 総会では全議案が賛成多数で承認され、同日付で長谷川社長は会長兼CEO(最高経営責任者)、ウェバー氏は社長兼COO(最高執行責任者)に就任した。新体制にとって最大の試練となる1年が幕を開けた。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)