7月15日、厚生労働省は、2013年国民生活基礎調査の概況を公表した。これは、福祉や所得等国民生活の基礎的事項を調査するもので、1986年から開始され、3年毎に大規模な調査が行われている。2013年は第10回目の大規模調査の年に当たる(以下、資料の出典はすべて同調査による)。

現在のわが国では
4軒に1軒しか子どもがいない

 2013年6月6日現在におけるわが国の世帯総数は5011万2000世帯となっており、その内訳は次表の通りである。20世紀の典型的な世帯類型であった「夫婦と未婚の子のみの世帯」がついに3割を割り込み、また「3世代世帯」も大きく減少している。その一方で、「子どものいない世帯(単独世帯、夫婦のみ)」がほぼ5割に達し、また「ひとり親と未婚の子のみの世帯」が増加している(362万世帯、7.2%)。

高齢化が進む中で所得が減少――<br />国民生活の現実を直視することからスタートしよう

 なお、65才以上の者がいる世帯は全世帯の44.7%、2242万世帯となっている。ところで65才以上の者(3239万4千人)の状況をみると、次表の通りとなる。

高齢化が進む中で所得が減少――<br />国民生活の現実を直視することからスタートしよう

「夫婦のみ」38.5%、「配偶者のいない子と同居」26.1%、「単独世帯」17.7%とこの3項目が大きく増える一方で、20世紀の典型だった「子夫婦と同居」が13.9%と激減していることが注目される。

 次に児童の有無別に世帯数の構成割合を見ると(次表)、実に4分の3以上の世帯が児童のいない世帯となっている。平たく言えば現在のわが国では「4軒に1軒しか子どもがいない」のである。

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