「上海にディズニーランドができるって、本当なの?」

 夏頃から、上海市民の間ではこんな噂が頻繁に飛び交うようになった。

 上海の新聞では、1~2年前から米ディズニー社と中国政府との折衝の様子が断続的に報道されてきた。最近では「いよいよ正式発表か?」といった噂が口コミで広がり、上海株式市場では建設などの関連株が急騰しているという。

 これを裏付けるように、10月27日、上海の証券時報は「上海ディズニープロジェクトが近く正式に公表される見通し」と報道した。

 そして11月4日、中国国営新華社通信は「上海市政府と米ディズニー社が申請していた上海ディズニーランド計画について、中国政府が正式に承認した」と伝えた。

 米オバマ大統領が訪中する11月中旬にも調印式が行われるとの見方も伝えている。

「北京五輪」「上海万博」に継ぐ
経済成長の目玉となるか?

 これまでの上海での報道を総合すると、上海市が上海DLを建設する計画予定地は、浦東新区にある浦東国際空港の近く。近隣にはホテル、大型ショッピングセンターなども建設される予定で、すでに約150ヘクタールが用意されている。一部では、「雇用創出効果は約3万人、建設費は245億元(約3200億円)」と報道されている。

 開業は2013~14年が有力視されている。地元では関連株の上昇に連動して、周辺の土地がすでに値上がりし始めているという。

 2010年に開催される「上海万博」に続くビッグ・プロジェクトとして、早くも経済効果に大きな期待が寄せられているのだ。

 この上海DL、もし実現すれば、世界の「ディズニー・リゾート」としては6番目、アジアでは東京と香港に続いて3番目の開業となる。

 08年に開催された北京五輪に引き続き、上海万博を何としても成功させたい中国政府にとっては、まさに夢のようなプロジェクトになるはずだ。