このうち山形と福岡はシーズン開幕時には胸の空欄が埋まった。山形はJA山形の白米ブランド「つや姫」、福岡はエバーライフという会社の看板商品「皇潤」。最近テレビCMでよく見かける“飲むヒアルロン酸”である。

 大分はメインスポンサーはあるのだが、胸にそのロゴをプリントできない事情がある。Jリーグの内規ではユニフォームスポンサーの業種には制限があり、ギャンブル系と酒類メーカー系は禁止されているのだ。大分のメインスポンサーは日本全国に244店のパチンコホールを展開するマルハン。内規に抵触するため、やむ無く空欄にしているといわれる。

 東京ヴェルディは開幕後も胸は空欄のままだが、背中、袖、パンツにはスポンサー名がプリントされている。

 ところがFC岐阜は胸、背中、袖、パンツすべてが空欄。選手はスポンサーロゴがまったくプリントされていないシンプルなユニフォームを着てプレーしている。

FC岐阜の経営が難しい
これだけの理由

 スポンサー料はクラブの人気や強さ(マスコミへの露出度)によっても異なる。母体企業の場合は10億円近いサポートがクラブに行われているようだ。また、一般企業がユニフォームスポンサーになる時の相場は、J1で胸が2~3億、背中が1億、袖・パンツが5千万。J2はその半額程度といわれている。

 報道によれば、FC岐阜は現在の危機を乗り切るには3600万円が必要とのこと。胸か背中のスポンサーがつけば経営は維持できるのだが…。

 FC岐阜にユニフォームスポンサーがつかないのは不況に加え、県内に全国的に事業を展開するような大企業が少ないことが大きい。ホームページを見ると40数社のスポンサー名が並んでいるが、多くが名前を聞いたことがない地元企業だ。その中にはビール大手のキリンも入っているが、よく見ると岐阜支社とある。支社レベルのスポンサードでは料金もさほど高額ではないはずだ。大口のスポンサーを得にくい土地柄なのである。

 そのうえクラブには広告価値も見い出しにくい。J2に参入した昨年は15チーム中13位。今季も24節終了時点で18チーム中14位と低迷している。知名度のある選手も見当たらず、ホームゲームの平均観客動員も3千人あまり。地元ローカル局の岐阜放送では試合前の金曜夜に応援番組を放送しているが、この分では視聴率もあまり高くないだろう。

 また、地理的にいえば岐阜は名古屋に近く、古くからのサッカーファンは、すでに名古屋グランパスを応援しているのではないだろうか。

 ちなみに岐阜で盛んなスポーツはホッケーだ。女子では岐阜各務野高校が何度も全国優勝しているし、男子は岐阜総合学園が全国でもトップクラスの実力を持つ。各務原市にある東海学院大学も大学ホッケーの強豪。岐阜市には全国でも珍しいホッケー専用フィールドを持つグリーンスタジアムがある。まあ、ホッケーとサッカーは類似点の多いゲームだから、アピールの仕方次第ではホッケーファンの目をサッカーに向けることはできるかもしれない。