伝えたい情報を直感的にわかるように、グラフィカルに表現する「インフォグラフィック」。この「相手がぱっとわかるように工夫する」という考え方のクセそのものが、コミュニケーション上手にしてくれるはず。本連載は、情報をよりわかりやすく、という枠を超え、発想そのものを広げるための教科書だと思ってください。どうやってこのアウトプットに辿り着いたか、発想のスタート地点から解説していくことで、「考え方のプロセスと構造」がわかります。今回は誰もが一度は見たことがある「千手観音」から、発想を膨らませていきました。

エンタメとしての仏像
カルチャー的に愛でる!

 みうらじゅんさんといとうせいこうさんの共著『見仏記』が刊行されたのは93年だから、もう20年経ちます。この頃から、学術的、あるいは、宗教的な見地で語られてきた仏像を、カルチャー的に愛でる流れができていました。エンタメとして見てもいいんだな、というムードを作ったお二人、特にみうらさんの功績は大きいと思います。

 僕もそこまでハマッたわけではありませんが、生来の分類好きのアート好き。やはり子どもの頃から仏像の差異についてぼんやりと気にはなっていました。

 話しは変わって、小学館、集英社は神保町にあります。たまに打ち合わせなどに行くと、帰りが大変。古書街にハマり、延々、物色を続けて終わらなくなるから。狙いを定めているのは、和洋どちらでも昔の図鑑系や、ジャンル問わず図などがたくさん載っている本、あとはアートブックなど。

 1000円以内で気になるものを見つけたら、一期一会と迷わず即買いです。そんな中に、薄くて小さい、モノクロのシンプルな仏像辞典がありました。今回はその本で見つけたネタから作った作品です。

 ではまず【インフォグラフィック画像】をどうぞ。

「千手観音の持ち物」を「甲子園のトーナメント」に<br />見立てて天界!?を競うインフォグラフィックグラフィック作成/小宮山秀明
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 名付けて[全国<千手観音の持ち物>選手権大会]、夏の甲子園大会、トーナメント表をイメージしてご覧頂ければ。栄えある代表40校(持ち物)が、優勝(天界!?)目指して戦った汗と涙と感動の記録です。