三菱地所は今年5月に3カ年の中期経営計画を発表した。中核事業である丸の内エリアの開発方針などを聞いた。

三菱地所社長 杉山博孝 <br />3年間で9000億円を投資 <br />公募増資は考えていないすぎやま・ひろたか/1949年7月1日東京都生まれ。67年東京都立新宿高校卒業。74年一橋大学経済学部卒業後、三菱地所入社。2001年企画本部グループ長、02年企画本部経理部長、04年執行役員幹部本部経理部長、07年常務執行役員、10年専務執行役員を経て、11年に社長就任。経営者らしからぬ長髪がトレードマーク(取材時は2カ月ぶりに散髪したため、普段より少し短め)。学生時代からの大のビートルズ好きとしても有名。
Photo by Kazutoshi Sumitomo

――足元および今後の景気動向についてはいかがですか。

 今年4月の消費増税による大きな影響はありませんでした。4月以降の消費は若干の落ち込みがありましたが、その後は順調に回復しています。

 住宅事業に関してはローン減税などもあり、ほとんど影響はありませんでした。

 オフィスに関しては、足元では空室率が13カ月連続で下がっています。当面は大型のオフィスビルの供給はなく、一方で、景気が良くなる中で多くの企業が新卒採用を増やす傾向にあることから、空室率はさらに下がっていくと思います。

――もう一段の消費増税についてはどう考えますか。

 今後の社会保障費の増大を考えると増税は避けられないでしょう。

 しかし一方で、消費者の生活に影響が出ないように色々な施策が必要です。特に住宅は高額なことから、税率が数%上がるだけでも影響は甚大です。

そもそも住宅は社会的な資本財なので消費税には馴染みません。消費税の軽減税率の対象とするべきです。また、住宅取得に関する贈与税枠の拡大も必要でしょう。