お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子で、2005年より中国四川省成都に在住。日本生まれの韓国人で、現在はグループ会社3社の社長兼取締役を勤める金さんが、中国バブルの行く末を考える連載のスタートです!
成都から東京に向かう飛行機の中で久しぶりに筆を握っています。
ご無沙汰しております。年初に邱永漢学校分校を開校後、パタリと原稿書きをお休みしておりました。
しばらく忙しくやっておりました。日本における新事業は順調に立ち上がりました。少し前になりますが、4月14日が新しい会社の誕生日です。名前は株式会社Farmers Kitchen Japan。食に関わる人間として、「生産家の方々と直接繋がり、農家の方々が自分で食べているようなものを皆さんの口までお届けしようではないか」という、そういう会社です。
さて、邱永漢学校分校のほうですが、一期生が既に入学しております。後に紹介する彼が入学を決めるまでに数十人の方と会いました。
わかったのは、人生を大きく方向転換できる人は多くない、ということでした。当たり前かもしれませんね。自分の人生の舵を大きく切るのは大変なことですし、とても勇気のいることです。
その一方で、今の生活の延長線上には明らかに自分の望む人生はない、とわかっている人であっても、人生を変えられないのを見ると、少し不思議な感覚が私の中に残りました。これは、東名高速道路を東京に向かっているつもりで、大阪方向に走っていることに気づいても高速を降りられず進路を変えられない、そんな感じに見えました。走り続ければ目的とは違う場所に着いてしまうことは明らかなのに。
さて、私の所に来た一期生はどうやらこの理屈がわかる人間のようでした。彼もまた自分の人生の先に不安を見ていた人間の一人でした。
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