中国 2014年12月3日

これから10年、中国もアジアも激動する。
そのなかで起業家はなにをなすべきか?【第4回】中国の賃貸契約リスク、そして日本人の長所

日本人にしかできないことは何か?

 アジアが世界の経済成長の潮流であり、中国がその中心にいることに私は間違いはないと思っています。

 「アジアの商売は小さくやりなさい」という話をしましたが、もうひとつ、私が10年にわたって考えてきたことがあります。

 「日本人にしかできないことをやりなさい」

 この台詞はお師匠の言葉として何回がご紹介しているので重複する説明は避けますが、邱永漢がアジアで活躍する多くの悩める事業家にアドバイスしてきた代表的な一言です。

 そして、私もまたこの言葉の意味を考えてきました。

 私の10年の結論を記します。

日本人にしかできないことその1:徹底的にこだわり常に進化を求める職人気質

 私がアジアのたくさんの方々と付き合う中で、日本人ほどディテールにこだわり、突き詰めて考え、そしてさらなる進化を常に望む人たちはおりませんでした。サービスにしても、車にしても、家にしても、ハサミひとつとっても、じつに良く考えられ工夫がされています。

 日本にいては当たり前すぎて気づかないことかもしれませんが、この気質は特別であり、事業が継続的に発展していくにあたりとても大切なことだと思います。

日本人にしかできないことその2:長期的な視野に立って、志を持ってことに望む

 日本の歴史がそうさせたのかもしれませんが、日本人ほどものごとや事業を長期的に考えられる人々を私は知りません。

 中国や台湾、そしてアジア諸国の歴史を見るに、めまぐるしく変わる時代や政治の変化の中で、長期的にものごとを捉えること自体が大きなリスクになり得る事情があったせいか、アジア全般、とくに改革開放以降の中国の人々は短期的にものごとを考えます。事業でいえば、「1年以内に投資を回収し、3年以上先のことに期待しない」というのが彼らの基本です。

 その結果、ものごとを見る目と事業サイクルがどんどん短くなる。もっとも影響が大きいのは人間に対する投資です。人間ほど時間がかかる投資対象はありません。多くの国で、このもっとも時間がかかる人財への投資に課題を抱えています。

 とある調査をご紹介します。

中国:2.5年
日本:35.6年

 中国と日本の平均企業寿命の比較です。

 実はその調査では(すみません、データソース忘れました)世界の企業の平均寿命でもっとも短いのが中国で、一方いちばん長寿なのが日本とのことでした。

 まとめます。

 日本人にしか出来ないことは、突き詰めて考え、長期的な視野でものを考える。

 このことがどれくらいスゴいことかは、おそらく日本を出ないと気づかないでしょうが、世界は日本を日本人を求めているのです。

(文/写真・金伸行)

著者紹介:金伸行(きむ・のぶゆき)
お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子。2005年より中国四川省成都に在住、日本生まれの韓国人。グループ会社3社の社長兼取締役。主な事業は、焼肉 を中心としたフードサービス。5カ国語を話し、前職は世界最古の戦略コンサルティングファームADLにてコンサルタント。現在は、アジア最高の焼肉チェー ンを作るため、年間100フライト及び肉食400食をこなしつつ、マラソンで体を絞っている。

 


幸福の「資本」論|橘玲著 幸福の「資本」論 重版出来!
橘玲著

あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」。あなたが目指すべき人生は?
定価:1,650円(税込) 発行:ダイヤモンド社
購入はコチラ!
世の中の仕組みと人生のデザイン|橘玲のメルマガ配信中! 20日間無料 ザイでしか読めない!橘玲のメルマガ「世の中の仕組みと人生のデザイン」も好評配信中!
月額880円(税込)
いますぐ試す(20日間無料)
 

 

バックナンバー

»関連記事一覧を見る

海外投資必勝マニュアル&本

海外投資のノウハウが凝縮! ここで紹介しているコンテンツ、書籍はすべて、ネットから購入が可能です。さらに「海外投資実践マニュアル」は「海外投資を楽しむ会」の会員になれば割引価格で購入可能です。

作家・橘玲のディープなメルマガ
発売即重版決定! 橘玲の最新刊【幸福の「資本」論】発売!
橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
橘玲×ZAiONLINE海外投資の歩き方
作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
subcolumn下影

ページのトップに戻る

本WEBサイトに掲載している全ての記事およびデータについて、その情報源の正確性・確実性・適時性を保証したものではありません。本サイトの提供情報を利用することで被った被害について、当社および情報提供元は一切の責任を負いませ ん。万一、本サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社および情報提供元は一切責任を負いません。本サイトからアクセス可能な、第三者が運営するサイトのアドレスおよび掲載内容の正確性についても保証するものではなく、このような第三者サイトの利用による損害について、当社は一切責任を負いません。また、併せて下段の「プライバシーポリシー・著作権」もご確認ください。