政府は、10月8日に「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」の見直しに関する中間報告をまとめ公表した。日米の外務・防衛両省の局長級による小委員会がまとめたものだ。

 その序文にはわざわざ「この中間報告は、いずれの政府にも法的権利や義務を生じさせない」と当然のことが書き込まれている。

 要するに、この中間報告は、最終の結論ではなく、ガイドラインの骨格や方向を暫定的に示したものだと強調しているのだろう。

 報道によると、日米両政府は、これに肉付けして今年の年末を目途にガイドラインを改定するという。

「米国民」と「日本の官僚」という
奇妙な局長級協議の組み合わせ

 この中間報告は、あらかじめ骨格と方向を公表したこと、それによって質疑、議論、検討の期間を設けたこと、すなわち改定のための手続きを踏んだというアリバイづくりと言ってもよい。

 ガイドラインの内容に言及する前に押さえて置かねばならないのは、このガイドラインの改定は昨年に日本側が持ちかけた話だということ。今年末の合意も政治日程を考えて提案したものだ。それに今回の局長級小委員会も両政府同等のようだがその本質は全く違っている。

 日本側の局長は実質的に官僚組織による人事であるのに対して、米側の局長は政治任用で、大統領によって任命された人たちだ。

 だから、同じ局長と言っても、米側の局長は大統領、そしてそれを通じて米国民への忠誠心を優先させるのに対し、日本側の官僚は、まずもって組織への忠誠心を優先することが避けられない。

 だから、局長級の協議は、米国民と日本との官僚の協議という奇妙な実質を持つことになる。米側の民意と日本側の官意がまとめたもので日本の国会審議や民意は事後的に考慮されるだけで二の次になっている。