大きな組織にいたら仕事は与えられるものだ。しかも一人で完結的に仕事をすることは難しく、パーツで請け負うことになる。チームワークと言えばそうだが、自分の意志を浸透させることは難しい。だから、独立する。

 さらに、大きな組織ではルーチンワークが大半を占めるわけで、クリエイティブワークを主体にしたければ、プロジェティスタになるしかないということになる。自分にはイノベーションを起す力があるが、このままではその力を発揮できないと思ったときに、「まあいいか」と思うのではなく行動する。日本の場合はプロジェティスタがいいとは限らないが、社内であっても、その精神は常に重要だ。

 そのために彼らは、安定性のある企業を辞めて独立する。多能工で自分でも腕に自信がある。その上で、一人で起業できるだけのマネジメントなどの知識と経験がある。

 では、彼らはそんなにおもしろい仕事だけをしているかというと、そんなにうまくはいかない。大部分の人は、半分はおもしろいわけではないがお金のために請けた仕事をしている。残りの半分のそのまた半分は勉強のために報酬が安くてもやる。投資のようなものだ。

 だからお金にもなって本当におもしろい、やりがいのある仕事は全体の4分の1しかない。とは言うものの、見方を変えると、25%もお金になって楽しいことをやっているというのは十分に贅沢なことだと思う。

 私はこの、「せめて25%は楽しく働く」ということを日本人のビジネスパーソンにも絶対忘れてほしくない。とりわけ、クリエイティビティのある人、イノベーションを起す力のある人、要するに今、こういった記事を読んでくださっている方々にはちゃんと自分の才能を生かし切って、楽しんで仕事をするようにしてもらいたいと思っている。

 イタリアのプロジェティスタも、そのすべてが成功者なわけではない。経済的な安定が約束されているわけでもない。現実はそんなに甘くはない。ただ、それでもプロジェティスタは多くの人々が憧れる魅力的なスタンスだ。仕事そのものの中に、やりがいを見出す働き方だからだ。