保険業法違反とされた委託型募集人制度をめぐり、7月から他の保険代理店に先駆けて直接雇用する新制度に切り替えた保険ショップ最大手、ほけんの窓口の子会社、ライフプラザパートナーズ。ところが、給料の支払いをめぐり、その現場ではあまりにお粗末な事態が発生し、混乱を招いている。その内情をレポートした。

 「こんなもの払う気はない!」。保険ショップ最大手、ほけんの窓口の子会社、ライフプラザパートナーズ(LPP)の保険営業マンは、ある一枚のレターを見て怒りが込み上げた。それは9月の報酬支給後に渡された「振込依頼書」だ(右写真)。

最低保障給をすぐに返還せよ <br />保険ショップ系最大手のずさん営業マンを驚愕させた「振込依頼書」(右)と、今回問題が発覚したライフプラザパートナーズ(左)
Photo:AFP=時事

 そこには、最低保障給(約15万円+交通費)に業績が達しなかった場合に補填される金額(前払報酬)をすぐさま返還しろ、と記されていた。詳細は後述するが、問題となった振込依頼書に書かれた「前払報酬(最低保障給会社補填分)」という文言。これはまさに、LPPの“失策”だった。

 いったい何のことか。順を追って説明しよう。