経営 X 人事

「人が育つ場所」は
どんな特徴を持っているか

特徴3
実践と振り返り

 外資系企業の人材育成担当者でローミンガー社の「70:20:10」のフレームワークを知らない人はもぐりだと思われてしまいます。

 このフレークワークは、人が成長するのは、70%は実務経験から、20%は人から、10%は研修からであると説明しています。

 つまり、人は主に実践、つまり現在の業務やプロジェクトを通じての経験で育つのであって、研修で大きく育つものではないのです。その意味で実務経験の質(誰に何をどのタイミングで与えるか)を管理することが人事にとって最優先課題です。

 ただ、これまでの自分のキャリアを振り返ってみると、自分の考え方や仕事への取り組み方を大きく変化させてくれた研修が複数あったのも事実です。

 ですので、人の成長に10%しか貢献しないからといって、決して手を抜くべきではありません。逆に、クオリティの高い研修と経験をしっかり内省できる場を提供すべきです。

 さらに、このような研修に加えて、優秀な上司(やコーチ)からの継続的なフィードバックを受けられる環境が整備されれば、成長に最適な環境(人材育成100% 環境)が実現します。人事の実務家として、この「人材育成100% 環境の構築」を目指して、地道に努力を積み重ねたいものです。

 同じ目標を持つ人材を集め、切磋琢磨する場を与える。そして、ロールモデルからの刺激を受けたり、上司やコーチからのフィードバック(薫陶)を継続的に受けることで成長し続ける。「人が育つ場所」では、人材マネジメントの基本サイクルがしっかり回っているのです。

 

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鈴木雅則

1972年福島県生まれ。QVCジャパン 人事部門 タレントマネジメントグループ ディレクター。
(米)コーネル大学人材マネジメント・組織行動学修士。GE(ゼネラル・エレクトリック)とグーグルで採用・リーダーシップ開発業務などに携わる。2011年、人事コンサルタントとして独立し、主に日本企業に対してリーダーシップ研修や人事コンサルティングを実施した。2013年、QVCジャパンに入社。2014年より現職。著書に「リーダーは弱みを見せろ」(光文社新書)がある。KPCマネジメントスクール「経営人事イノベーションコース」講師。


次世代=グローバル人事へのヒント

外国人の採用など、多くの企業が人事のグローバル化を迫られている。従来型の制度設計では齟齬を生じる場面も多いだろう。では、どのように考え、何を変えればいいのだろうか。筆者はGE、グーグルで採用と育成に携わった。その経験をベースに、一般的な外資系企業ではどんな人材マネジメント(標準的な型)が行われており、その人材マネジメントはどのような前提やフレームワークをベースに行われているのかを考察する。

 

「次世代=グローバル人事へのヒント」

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