「親に申し訳ない」「明日が怖い」
当事者が思いを発信する流れは止まらない

 この後、再び、参加者たちがセッションを行い、各グループの全体共有(シェア)で、新日高町から来た社会福祉協議会の職員は、こんな話を紹介してくれた。

「当事者の方に、いきなり就労ではなくて、こういう段階を踏んでいくことが大事なんだよということを実況中継のように説明していただいて、支援の方が多かったので、すごく参考になったんじゃないかなと思います。また、家族の思いというのをすごく重い言葉で頂きまして、本当になかなか伝わらないけれども、子どもに対する思いが伝わってきました。

 札幌と違って資源もかなり少ないところなので、家族会は保健所の方で少し主催をしているのですが、当事者会はなかなか進んでいない状況です。どうしても支援者の方は就労にすぐに結びつけてしまう傾向が強いんですね。なぜかというと、地域の中では近所の方の目もありますし、家族の方も孤立してしまう。だから、社会福祉協議会の職員が、地域の方々に(この思いを)理解してもらえるような地域作りをしなきゃいけないなとすごく感じました。

 まず街の人たちと、支援者に理解してもらわなきゃいけない。焦って支援してはいけないんだということをすごく実感しまして、大変勉強になりました」

 そう話し終わると、会場から自然に拍手が起こった。

 最後のグループを代表して、家族の対応のあり方を総括するかのように話をしてくれたのは、元当事者だった。

「やっぱり当事者というのは、引きこもっていること自体が親に申し訳ないという気もありますし、毎日が必死で、明日が来るのが怖いという恐怖もある。だから、家族に、親に、当たってしまう。私もそうでした。どこにどうやってその怒りをぶつけていいのかわからなかったんです。

 親が自分を責めるようなことを言っちゃいけないんですね。私も親から、私が悪いんだと責められました。そうすると、私が、俺のせいでお母さんを苦しめたと思ったり、こんな親の元に産まれたことへの怒りが生まれたりしました。

 なんでコレができないんだと言われると、苦しさになっちゃうんですね。逆に頑張れなどと励まされると、それもプレッシャーになってしまう。できないのにそんな…と思っちゃって、結局引きこもるようになってしまいます。

 親は迷わず精神科に行くことだと思うんですね。私のお母さんは、精神科の先生とつながって、自分が発達障害とわかって回復していった。どこにつながっていいかわからなかったら、まず精神科の先生に会えばいいし、精神科に行きづらかったら、ケースワーカーさんでもいい。そういうところから、引きこもり支援者などにつながっていくことが考えられるかなという話をしました」

 こうした当事者や家族の思いを受け止める場を周囲はどのように用意できるのか。行き詰って先行きの見えない社会の中で、当事者から情報発信していこうという変革の流れは、もう止まらなくなってきている。