今年は期待外れ、
2四半期連続マイナス成長

 11月19日に内閣府は2014年7~9月期のGDP(速報値)を発表したが、市場の予想を大きく下回る年率換算▲1.6%のマイナス成長となった。その結果、2四半期連続のマイナス成長と、足元、機械的に見れば景気後退局面とも見られかねない状況にある。

 また、こうした数字の悪化を反映し、安倍首相は消費増税の先送りを決定し、同時にアベノミクスの信を問うとして11月21日に解散を決め、12月14日の総選挙の決定がなされた。

 みずほ総合研究所が四半期ごとに改訂している『内外経済見通し』が描く内外の経済見通しは、図表1の通りである。今回、2014年度の日本の成長率は▲0.4%に大幅に下方修正した。

 一方、2015年度は2.5%へと大幅な上方修正にした。今年のみずほ総合研究所の見通しを年初から振り返れば、昨年来、米国のバランスシート調整の改善に先導され、欧州、日本もそろって回復としたが、4月以降、日本は期待外れのマイナス成長が続いた。

 その後、年初の楽観的な回復シナリオは「期待外れ」「我慢の局面」としてきた。こうした認識は、前回8月の見通しでも踏襲され、今回、11月はさらに足元の厳しさが強まったことになる。

足元は悪いが、2015年度は<br />「トリプルメリット」で予想以上の回復も<br />――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト(注)予測対象地域計はIMFによる2012年GDPシェア(PPP)により計算
(資料)IMF、みずほ総合研究所
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