【表1】“痛い目”にあわせれば、相手も協力的に
出典:Loukopoulos,p.,et al

 また、スイス技術研究所のピーター・ルーコポロス博士も、同様の研究を行っている。相手が裏切ってきたとき、手厳しい罰を与えるのか、穏やかな罰を与えるのか、それとも罰を与えないのかで、その後の相手の協力反応を調べてみると、手厳しい罰を与えたほうが、相手はずっと協力的になってくれることがわかったのだ(表1)。

 しっぺ返しをすると、「あいつは、手強い」という印象を相手に与える。中国の外交が、まさにこれだ。たとえば、ある国が中国のことを悪く言ったり、悪い対応をとったりすると、経済措置をしたり、大使の引き上げ要求を出すとか、すぐにしっぺ返しをする。だから、諸外国は、あまり中国をいじめないようにしようと気をつける。

 その点、日本の外交手腕がからきしダメなのは、しっぺ返しすべきところでも、我慢して耐え忍ぼうとするからである。私は、個人的にそういう堅忍不抜の姿勢が大好きなのであるが、心理学的にいえば、きわめてまずい対応である。なぜなら、こちらが我慢しようとすると、相手は調子に乗って、もっと、もっとつけあがってくるからである。本当は、少しでも殴られたら、殴り返したほうがいいのだ。

 アリストテレスは『レトリカ』の中で、「われわれを中傷した者を、われわれも中傷し返すべきである」と述べている。悪口を言われたら、言い返しなさいという教えであるが、これはあらゆる行為に当てはまるだろう。

 いくらこちらが善意で対応しようとしていても、相手のほうがひどい対応をとってきたときには、遠慮する必要はない。そんなときには、しっぺ返しで報いたほうが、将来的な協力反応を引き出すことができるのである。

【答え (2)】

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