激変する世界の電力業界で、省エネ分野で存在感を高める仏電機大手のシュナイダーエレクトリック。180年近い歴史を持つ同社の世界戦略について直撃した。

シュナイダーエレクトリックCEO ジャン-パスカル・トリコワ <br />再エネよりクリーンな“発電” <br />エネルギーIT化で勝ち進むPhoto by Ryosuke Shimizu

──エネルギーの中でも、マネジメント(管理)に特化しています。

 当社は、エネルギー管理で「ゼロ」を目指しています。エネルギーの無駄をゼロにし、問題もゼロにしていくという目標です。

 特に、今世界で注目を浴びているスマートシティや「モノのインターネット(IoT)」などの取り組みもすでに20年間の実績があります。テクノロジーへの投資は怠らず、売上高の4~5%を、常に研究開発につぎ込んでいます。

──新興国の売り上げ比率が高い。

 売上高235億ユーロ(約3兆4000億円)のうち43%が新興国です。特に、アジアには4万5000人以上の社員を配置し、私も香港に拠点を置いています。すでに中国は、米国に次いで世界2位の市場で、3位はロシアです。

──日本でも、スマートシティは多くの企業が掲げています。

 確かに、日立製作所など名だたる企業が取り組んでいますが、このエネルギー管理の分野にはさまざまなレイヤーがある。当社は長年の歴史を経て、より統合されたモデルを提供できるのが強みです。

 日本企業とは競合関係ではなく、むしろ製品における協業など多様な形態の協力ができるはずです。