――旧松下電工は、「掘り抜き井戸」(オリジナルの技術を極める)、「言い出しべえ株式会社」(言い出した人が最後までやり抜く)などのユニークの企業風土で異彩を放っていました。それらのDNAは、今どうなっているのですか。

 実は、世間では旧松下電工イコール、現在のエコソリューションズ社ということになっていますが、私たちはそう考えていません。現在、約5万7000名の社員のうち、旧松下電器産業、旧三洋電機、旧松下精工から加わってくれた人が約30%を占めています。ですから、ノットイコール旧松下電工なのです。

 旧松下電工が持っていた「掘り抜き井戸」や「言い出しべえ株式会社」などのメンタリティに体現されたDNAは、それらの文言に固執するのではなく、エコソリューションズ社のDNAとして進化・発展させていきたいと考えております。私も旧松下電工の出身ですが、現在のエコソリューションズ社が掲げている経営ビジョンは「全員で、やり切る経営」であり、14年度のスローガンは「現場力で成長を加速」です。今、必要な要素はすべて詰め込んであります。

 そう言えば、今年5月には、本社がある大阪府門真市にエコソリューションズ社としての「歴史未来館」をオープンしました。今日に至るまで、すべての事業の歴史や変遷などをまとめた資料館です。もちろん、旧松下電工ばかりではなく、旧松下電器産業、旧三洋電機、旧松下精工などのルーツを知ることができます。歴史館ではなく、歴史未来館であることに着目してください(笑)。

サービス付き高齢者向け住宅を
2018年までに100棟稼働させる

――現在、エコソリューションズ社では、さまざまな住宅関連事業を手がけていますが、とりわけ高齢者とその家族の快適を実現する商品やサービスなどを提供する「エイジフリー事業」に注力しています。エイジフリーは、バリアフリー(物理的障壁からの解放)、ストレスフリー(生活負荷からの解放)、ケアフリー(介護負担からの解放)の3つを合わせた造語ですが、どのような思いで始めたのですか。

 もともと介護事業は、1998年に新規事業の一環として、大阪の大和田にある有料老人ホームの運営から始めました。最初はノウハウもありませんでしたが、続けているうちに関連分野にも広がって行きました。現在は、全国各地に訪問介護や訪問入浴などを行うサービス部門が96拠点、介護機器・設備などを販売するショップが114店、有料老人ホームが3カ所、サービス付き高齢者向け住宅が2カ所となっています。これまで16年間、試行錯誤を続けてきましたが、黒字化できたのは3年くらい前です(苦笑)。