フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営しながら、仕事のパートナー一家と一緒に暮らす志賀さん。日本人男性とフィリピン女性のトラブルを多数見てきた志賀さんが手ほどきする上手に別れる方法とは?
恋を成就させるための努力は楽しくて何の苦もないが、恋が破綻して手仕舞いするときは大きな苦痛と痛手がともなうのはどこでも、いつの時代でも同じだ。
フィリピンの若者が恋をするとき、男のアタックは強烈で女心をとろけさせる。とくに10代となると、やりたい一心で身も心も捧げる。こんなに愛してくれるならと、女はなけなしの処女を与えてしまうのだが、それが悲劇のもととなる。
フィリピンでは避妊を嫌い、堕胎は殺人だから、恋=セックス=妊娠=出産となる。妊娠になると、生涯の愛を誓った色男は掌を返したようにトンずらしてしまうことも少なくない。子どもを生み育てる使命を神から授かった女性は、子どものためにそれこそ身も心も捧げなくてはならなくなる。それでも女たちは、子どもがいて幸せだと感じる。
男の別れ方はいたって簡単で、女との一切のコミュニケーションを絶つ。携帯電話番号も変えてしまう。言葉で納得させようとか、手切れ金を渡そうとか、余計なことは考えない。1~2カ月もなしのつぶてを続ければ相手もあきらめる。
子どもがいなければ女性も次の相手を探すからそれで済むのだが、子どもをつくって彼女の人生をだいなしにしてしまったとなるとそうはいかない。どこかでばったり会ったりしたら、ずぶりとやられかねないから気をつけなければならない。
「あなたと暮らすために家を建てたい」という罠
同じことを日本人男性がやったらずっと面倒なことになる。
フィリピン女性を妊娠させたまま日本に逃げ帰ったとしても、NPO法人を名乗る男が現れ責任を追及される。認知していようがしていまいがDNA鑑定なるものがあるから、そう簡単には逃げ通せない。とくに公務員や大企業のサラリーマンの場合は世間体があるから、数百万円レベルのお金で和解となる。和解金の半分はNPOの取り分になるのだが、いずれにしても自業自得だ。
日本人より多くのシングルマザーをつくり出すフィリピン人の男は、なぜ追及されないのか。それはいたって簡単で、取るべきものが何もないからだ。そんな馬鹿なことに女は時間も金もかけないが、恨みだけは一生続く。
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