フィリピン 2014年12月12日

フィリピンの女性と上手に別れる方法

 捨てられるリスクはフィリピン女性もわかっているから、GRO(フィリピーナホステス)は大きな魚(熟年日本人男性)が針にかかったとたん、周到な仕掛けをする。「一緒に生活するための家を建てよう」と持ちかけるのだ。

 田舎に両親の土地があるとか、サブディビジョン(団地)の出物があるとか、今のうちなら建売が安く買えるとか、おじさんが建築屋で安く家が建てられるとか、さまざなセールストークのパターンがある。

 色と欲に溺れた熟年日本人は、若い彼女との甘い生活を夢見て口元と財布の紐が緩む。「退職金の半分程度だからまあいいだろう」「これで彼女との絆も深まるだろう」などと、ますます鼻の下を長くする。

 しかし、そこに女のしたたかな作戦がある。フィリピンでは外国人は土地が買えないから、土地付き一戸建ての名義は彼女にせざるをえない。だから彼女たちは、外国人でも所有できるコンドミニアムの購入はけっして勧めない。自分名義の家を持ちさえすれば、ある日突然、男の携帯が「現在使われておりません」と繰り返しても、名実ともに家が手に入ったとほくそえむだけだ。

 日本人男性に責任がある場合(これがほとんどだ)は諦めるしかないが、なかには最初から騙すつもりで男に近づくふとどきな女もいる。そんなときはどうすればいいのだろうか。

PRA預託金を利用して罠に罠をかける方法

 用意周到に準備した書類で、女のしたたかな計略を粉砕した退職者がいる。

 別れた理由は女の浮気にあるのだが、家は女の名義になっておりしっかり罠がかけられていた。だがその退職者から不動産購入の相談を受けたとき、念のためにと、私はいくつかの書類に女の署名をもらっておくようにアドバイスした。

 その2年後、準備が功を奏すときがきた。女の浮気に業を煮やした退職者は、彼女名義の資産をすべて売却して始末してしまった。それを知った女は当然、金切り声をあげて抗議したが後の祭り、退職者の携帯は冷ややかに「現在使われていません」を繰り返すだけだった。

 私がアドバイスした「罠に罠をかける方法」は下記だ。

1. 長期賃貸契約:不動産の購入にあたってPRA(フィリピン退職庁)の預託金を使用するため、名義人である彼女と25年の長期賃貸契約を結ぶ。ただしPRAの預託金を使う場合、土地建物は居住可能で5万ドル以上でなければならない。また彼女名義のタイトル(権利書、CCT)が存在することなどが条件。これにより、少なくとも家の使用権利は確保できる(別れても居座ることができる)。

2. ローン契約:家の購入資金は退職者が出すが、使うのは彼女なのだから、資金の流れをはっきりさせるためにローン契約を結ぶ。これは裁判沙汰になったときに大変重要な事項となる。またローンの返済は賃貸契約の家賃と相殺するものとし、さらに家を担保として押さえる。ちなみにPRAの預託金を使った場合は、PRAが退職者に成り代わって担保権を保有する文面を裏書きする必要がある。

3. オプション契約:この契約がミソだが、退職者が不動産を売却して売却金を受け取る権利、将来法律が変わって外国人も土地が持ているようになった時点で自分に名義を無償で変更する権利など、物件を所有している状況に限りなく近いオプションを有するという契約を結ぶ。

4. 委任状:上記のオプションを行使するために必要な手続きを自らが実行するため、名義人から委任状をもらっておく。

5. 白紙売買契約:物件の売買契約書を作成し名義人のサインをもらっておく。ただし、売却先は白紙としておく。

6. タイトル(権利書):彼女名義のタイトル(CCT)の原本を預かっておく。

 いろいろわけのわからない契約書にサインさせると名義人の彼女は疑うかもしれないが、「PRAの預託金を使うから必要だ」などと説明すればイヤとはいわないだろう。これで、いざとなったときに泣きを見る羽目にならないで済む。しかし、この手法を悪用してフィリピンの女性を泣かすようようなことをしたら私は黙っていない。

【参考記事】フィリピンの退職者ビザ制度を使ってコンドミニアムを購入[日本人退職者のトラブル事例]

(文・撮影/志賀和民)

著者紹介:志賀和民(しが・かずたみ)
東京出身。東北大学大学院修了後、日揮(株)入社。シンガポールにをかわきりに海外勤務を歴任。1989年日揮関連会社社長に就任しフィリピンに移住。2007年4月PASCO(サロン・デ・パスコ)取締役。

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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