橘玲の世界投資見聞録 2014年12月18日

イスラーム圏でもっとも親欧米の国・コソボの終わりなき憎悪
[橘玲の世界投資見聞録]

 「建国」の経緯からもわかるように、「コソボ共和国」の後ろ盾はアメリカとEUだ。そのためコソボは、「イスラーム圏でもっとも親欧米の国」といわれている。実際、大学や図書館などの行政施設には星条旗と欧州旗が高々と掲げられている。

プリシュティナの図書館前に掲げられた国旗。中央が星条旗、その隣が欧州旗(左)とアルバニア国旗(右)、左右の端がコソボ共和国旗    (Photo:©Alt Invest Com)

 

もっとも有名なアルバニア人

 コソボではキリスト教徒はどのように扱われているのだろうか。

 下はプリシュティナ市街に建築中の立派な教会だ。だがこれは、セルビア人とアルバニア人との和解の象徴というわけではない。

 世界じゅうで誰もが知っているアルバニア人がたった一人いる。それがマザー・テレサだ。彼女はオスマン帝国領のコソボ州ユスキュブ(現在のマケドニアのスコピエ)のカトリックの家庭に生まれ、修道女となってからはインド、カルカッタのキリスト教系女学校で地理を教えていたが、36歳のときに神の啓示を受け、もっとも貧しい者のために身を捧げる決意をした。テレサは「愛の神宣教者会」を設立し、カルカッタのスラムにある古いヒンズー寺院を改装して「死を待つ人々の家」というホスピスを開設した。その活動があまりにも有名になったため、現在ではマケドニア、アルバニア、コソボの各地にマザー・テレサを顕彰する施設が次々とつくられている。

 このカトリック教会もそのひとつで、「マザー・テレサ大聖堂Mother Teresa Cathedral」と名づけられている。うがった見方をすれば、聖女の名を冠した教会ができれば世界じゅうのカトリック教徒から寄付が集まってくるし、観光客もやってくる。今年9月にはローマ法王がアルバニアを訪問しているから、将来はこのコソボの教会に法王を迎えることも夢ではない。コソボの住民の大半はムスリムだが、カトリックの豪華な教会を街の中心に建てることにはみんな大賛成なのだ。

プリシュティナの中心部に建設中のマザー・テレサ大聖堂 (Photo:©Alt Invest Com)
こちらは繁華街にあるマザー・テレサ像。観光客の写真スポットとして大人気    (Photo:©Alt Invest Com)

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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