通帳に800万円振り込まれた!

担保ナシ、保証人ナシ!1000万円の借り方・引き出し方
丸山 学著 ダイヤモンド社刊 1429円(税別)

 「丸山先生! 融資が実行されましたよ。今日、通帳に800万円! それも第三者保証人も必要なければ、社長の私の連帯保証もなしで、本当に実行されちゃいました!」

 まだ何の実績もない、これから起業しようという方の口座に続々と融資金が振り込まれています。

 別に怪しいお金ではありません。政府系金融機関から振り込まれる「公的融資」の低金利のお金です。

 行政書士として会社設立や許認可手続などを行う当事務所では、創業融資についてのアドバイスを行うことも多く、こうした喜びの報告が数多く飛び込んできます。

 何しろこの融資制度は担保も必要なく、第三者保証人も不要です。いえ、第三者どころか会社を設立して会社として申込みをする場合には、社長個人が連帯保証をすることも不要なのです。

 従来の感覚からいえば、少し非常識とも思えるくらい、起業家にとって有利なこの融資制度ですが、まだまだ起業を考える人すべてに認知されているわけではありません。

 そして、知っている人だけがこの制度の恩恵を受けて、自己資金ではとても賄いきれない設備投資をして事業を優位にスタートさせているのです(もちろん、融資に際しては審査がありますので、必ずしも希望通りにいくとは限りませんが……)。

社長の個人保証が必要なはずなのに……

 さて、この制度とはどんなものか簡単にお話しておきます。これは、政府系金融機関である国民金融機関が提供している『新創業融資制度』で、無担保・無保証人で最大1000万円までの創業融資が受けられるというものです。

 繰り返しになりますが、この「無保証人」という部分は、もし法人(会社)として借りるのであれば、社長個人でさえ連帯保証人にならなくていいことを意味します。