橘玲の世界投資見聞録 2015年1月22日

「最貧困女子」のように
「貧困」に陥るリスクが高い男女のタイプとは?
[橘玲の世界投資見聞録]

資本をひとつしか持たないと貧困に陥るリスクが高まる

 最後は「プア充」と同様に資産をひとつしか持たないタイプ。

 金融資本だけあって、人的資本も社会資本もないのは典型的な(独身)退職者だ。その金融資本の大半は「年金」というかたちで国家に運用をアウトソースされているため、高齢化にともなって「年金不安」が政治の重大な課題になっていくことがこの図からもわかる。

 人的資本だけあって金融資本と社会資本がないのは、「孤独なエリートの若者」というイメージだけど、若者でなくてもこういうひとはいる。

 もっとも典型的なのは「(頑張っている)若い自営業者」で、彼らは人的資本はあっても事業が軌道に乗るまでは金融資本を蓄積できない。自営業者に社会資本(友だち)が乏しいのは生活サイクルが一般のサラリーマンとはまったく異なるからだ。「土日出勤で水曜定休」とか、「午後出勤で帰宅は深夜」という生活を続けていれば学生時代の友人たちからの誘いに応じることができず、早晩、友だち関係は切れてしまう(地方などでは、店が友だちの溜まり場になるというようなことはあるだろうが)。

 しかしこうした自営業者は、成功すれば金融資本を獲得して「お金持ち」になり、失敗すれば人的資本も失って「貧困」に陥るだろうから、長くこの状態に留まっていることはないだろう。そこでここでは、仕事はできるのに、本人の意思(性格上の問題)で稼ぎをすべて散財してしまい、友だちも恋人もいないタイプとして「放蕩エリート」としてみた。

 これを見てわかるのは、資本をひとつしか持っていないと、なんからの理由で「貧困」に陥るリスクが高くなることだ。

 「プア充」が友だちを失ったり、「退職者」が金融資産を騙し取られたり、「放蕩エリート」が仕事で失敗して失職したり……。こちらは「人生の転落物語」のパターン化だ。

 なおこれはちょっとした思いつきなので、もっといいネーミングがあったらみなさんで自由に命名してください。

 

 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(以上ダイヤモンド社)などがある。
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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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