2010年に「複写機を卒業する」と発言して話題になった富士ゼロックスの山本忠人社長。現中期経営計画の採取年度にあたり、事業構造転換の進捗状況を聞いた。

富士ゼロックス社長 山本忠人 <br />売上高の50%がサービスに <br />“複写機卒業”を今後も加速Photo by Masato Kato

──「複写機卒業宣言」から5年たちました。進捗状況は。 

〝卒業〟とは複写機事業をベースにさらなる高みに構造転換していくことです。企業の価値創造の全ては、社内外のコミュニケーションから形作られると、われわれは思っています。われわれの最終目標はただ複写機を売ることではありません。顧客がより良いコミュニケーションを行うお手伝いをし、その事業価値を上げることがミッションです。

──14年度までに売上高で30%をサービス事業に、50%を海外売り上げにする計画達成の見込みは。

 おおむね達成できそうです。サービスはすでに34%くらいになっています。(親会社の富士フイルム)ホールディングの次期中期経営計画と合わせて、16年度を最終年度とする次期中計を策定しましたが、その中ではこれをさらに加速させます。5年かかって3割に上げたサービス比率は2年で5割に、海外売り上げ比率を6割に上げる計画です。

──いわゆる“モノ売り”からソリューション事業への移行はどのように進めるのですか。

 いわゆる「物を一個売っていくら」のビジネスから、売り上げ管理の仕組み、品質保証も評価基準、社内システムまですべて変えました。その中でも最も力を入れたのが意識改革です。