スナック屋台
■焼き鶏屋台、誕生から25年
「ガイヤーン・ハーダオ」

フランチャイズ屋台の老舗。5ツ星の焼き鶏という意味の店名のとおり、現在でも広く庶民に親しまれている。オーナーは40歳以下、4日間の研修、備品はすべて貸し出しと、フランチャイズの条件はなかなか厳しい。オーブンで炙られた肉は、ほどよく脂が残り、ジューシーで人気がある。
●支度金:1万5000バーツ(約5万4000円)
●内訳:ブースと設備のデポジット3000バーツ(約1万円、契約が切れると返金される)、ポロシャツ3、調理用帽子2、エプロン2、ブース配達料、生産コスト、研修料金
●屋台数:3200
●フランチャイズ開始:1985年
●売り場スペースは?:用地は親会社スタッフと確認し、認可されたところでのみ開店可能
●外国人OK?:不可
●社名:CPF Foods Co., Ltd.
■少ない元手で始められるミンチボール屋台
「ルークチン・ムー・プー・ドゥー」

1万バーツ(約3万6000円)以下で出店できるため、多くの人が屋台主になれる。条件はほかの商品を売らないこと。タイのテレビ局チャンネル3でも取り上げられ、味や品質はかなり高い。
●支度金:バンコク都内4180バーツ(約1万5000円)、バンコク都外7230バーツ(約2万6000円)
●内訳:販売のための設備(看板、エプロン1、ルークチン、つけダレ)※バンコク都外は、ルークチンとつけダレの2.6倍の量を購入しないといけないため、支度金も高くなる
●屋台数:約200
●フランチャイズ開始:2006年
●売り場スペースは?:各店舗は400~500メートルほど離れていなくてはならない
●外国人OK?:応募可能。英語の話せるスタッフがいる
●社名:特になし。屋台名と同じ
スイーツ屋台
■俳優さんの揚げアイスクリーム
「アイスクリーム・トート・ティー・ドーク・サダオ」

タイ東北地方で大人気の揚げアイスクリームのフランチャイズ。パン生地の中にアイスクリームが入っていて、揚げると表面はあつあつドーナツ状態で中はひんやりアイス。人気俳優のティーがオーナー。ターク県には月12万バーツ(約43万3000円)売り上げるショップがある。
●支度金:1万5000バーツ(約5万4000円)
●内訳:看板付き屋台、販売のための設備(ガス、ロゴ入り紙コップ200、アイス用スプーン200)
●屋台数:210
●フランチャイズ開始:2007年
●売り場スペースは?:特に規定なし
●外国人OK?:応募可能。英語の話せるスタッフがいる
●社名:特になし。屋台名と同じ
■はちみつソース付き焼きバナナ
「クルアイ・ピン・ローソー・ヌンヌンソン」

112年も続く焼きバナナの屋台のフランチャイズ。一番売り上げるセントラル・バンナー店内のトップス・スーパーマーケットは月12万バーツ(約43万3000円)の売り上げ! 人気の秘密は砂糖を使わないハニーソース。
●支度金:4万7000バーツ(約16万9000円)、5万5000バーツ(約19万8000円)、6万バーツ(約21万6000円)の3タイプ
●4万7000バーツタイプの内訳:看板付き屋台、販売のための設備(ガストースター、熱メーター、シロップ用ステンレス製ボウル、シロップ19リットル、ロゴ入りビニール袋、そのほかの必要機器)※5万5000バーツは電気トースターが付き、6万バーツだとデパートの用地が提供される
●屋台数:47
●フランチャイズ開始:2005年
●売り場スペースは?:いったん売り場が決まったら、親会社からの許可が下りないと移転は禁止
●外国人OK?:応募可能。英語の話せるスタッフがいる
●社名:Khun Patpimol Chotsawet-a-nan
■伝統的な花の黒ゼリー
「チャオクアイ・ヘー・ハー」

一番の売り上げ店はセントラル・ラップラオで、月に3万バーツ(約10万8000円)ほど。へ―・ハーとはタイ語で「とても愉快」という意味。原料はチャオクアイという花で、仙草ゼリーともいわれる。フランチャイズ屋台の契約は毎年行ない、更新料3000バーツ(約1万円)が発生。親会社の管理がかなりしっかりしている。
●支度金:1万5000バーツ(約5万4000円)
●内訳:看板付き屋台、販売のための設備、ロゴ入りポロシャツ2
●屋台数:72
●フランチャイズ開始:2009年
●売り場スペースは?:規定の各エリアで2店舗以内
●外国人OK?:応募可能。英語の話せるスタッフがいる
●社名:Hey Haa Group co., Ltd.
■古式伝わるタイコーヒー
「カーフェー・バーンライ・タイ・チョーン」

タイ語で「オーユアン」というタイ式コーヒーが味わえる。コーヒー豆の産地が点在する北タイ発のフランチャイズカフェで、5年ごとのフランチャイズ契約と更新契約が必要だが、更新料は無料。コンデンスミルク入りの濃厚なアイスコーヒーは常夏のバンコクに似合う。
●支度金:3万8000バーツ(約13万7000円)
●内訳:看板付き屋台、販売のための設備(4つに仕切られた鍋、金属製ステンレスピッチャー5、ひしゃく、濾紙5、ガス、テーブルナプキン、ロゴ付きポロシャツ2、エプロン)、1日研修料金
●屋台数:約200
●フランチャイズ開始:2004年
●売り場スペースは?:特に規定なし
●外国人OK?:不可
●社名:PLANTATION AND FARM DESIGN (THAILAND) CO., LTD.
■チュンポーン県のカフェ屋台
「カーフェー・ソット・カオ・タル」

カオ・タルは、南タイのチュンポーン県の山の名前。タイでコーヒーに使われる豆の品種はアラビカ種が主流だが、ここではミルクやシュガーなどいろんな素材とミックスして相性のいいロブスタ種を使っている。豆もチュンポーン産。
●支度金:5万~8万バーツ(約18万~28万8000円)
●内訳:屋台、販売のための設備(ガス、コーヒーメーカー、コーヒーミルなど)、研修料金 ※屋台の大きさによって支度金は変わる
●屋台数:150
●フランチャイズ開始:2000年
●売り場スペースは?:特に規定なし
●外国人OK?:応募可能。英語の話せるスタッフがいる
●社名:特になし。屋台名と同じ
※各情報は2010年10月のものです。
オー氏のその後は……
さて、オー氏はその後はどうなっているのだろう。
順調にオープンした2号店では自ら店に立ち、1号店を人に任せるようになった。しかし任せていた人が辞めてしまった後、やってくれる人が見つからなかったこと、売上げが思ったほど上がらなかったことなどから、2店分のフランチャイズの権利を人に売ってしまったという。
その権利を売った金でバンコクの辻々(ソイ=小道)にいるバイクタクシーの営業免許を購入。現在はバイクタクシーのドライバーと自動車教習所の教官を兼ねているという。
フランチャイズ屋台経営もそれほど甘くはなかったということか……。
(文・撮影/『DACO』 編集部)
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