最も影響が大きいのは
「扶養手当の壁」だった!

 3つ目は夫の勤務先の「扶養手当の壁」だ。多くの企業では、一定収入以下の配偶者がいる社員に対し、月1~2万円の「扶養手当(家族手当、配偶者手当とも言う)」を支給している。配偶者の収入基準は企業によって異なり、「年収100万円以下」「103万円以下」「130万円以下」などとしているところが多い。

 妻の年収要件が103万円以下、手当の額は月2万円のケースで試算したのがグラフ(2)だ。妻の年収が103万円のときが世帯手取り年収のピークで、103万円を超えて扶養手当がもらえなくなったとたんに世帯手取り年収は約24万円も減少する。「130万円の壁」でもう一度、ガクンと世帯手取りが減り、ピーク時の手取りが回復するボーダーは妻の年収が170万円! 103万~169万円もの間、「働きゾン」になるのである。

 以前、地方に講演に行った際、地方銀行に勤める夫がいる女性から「今、パートで90万円くらい働いている。子どもたちに手がかからなくなったので時間があるし、教育費も貯めたいのでもっと働きたい。自分で計算をしてみたら今の2倍くらいの収入がないとソンしそうなんですが…」と質問を受けた。講演終了後だったので、小声で「ご主人の会社の手当はいくらですか?」と尋ねてみると、「月2万5000円です」とのこと。

 今どき2万5000円も出してくれる会社があるのだ…と内心驚いたが、そうとも言えず「そうですね、手当がなくなると年収200万円近く働かないと、その間の世帯手取りは減りますね」と答えた。すると、その女性は子どもに手がかからなくなったといっても、すぐに働く時間を今の2倍にはできないと、寂しそうに帰って行った。