企業活動に関連する情報には、日常活動から発生する取引情報と、顧客や競合に関する市場情報がある。市場の動向や不確実性に対応するためには、これらの情報を分析し、それを戦略に反映させなくてはならない。それには、情報を収集、加工、分析する情報リテラシーが不可欠である。
企業活動における情報
企業が用いる情報には、販売処理や会計処理など「定型プロセスで取り扱う情報」と、顧客情報や競合情報といった市場や環境の「不確実性を軽減するために活用する情報」がある。
情報は多ければいいというものではなく、必要な情報を的確に蓄積し、流通させることが重要である。したがって、企業は情報がいつどこで発生し、だれにとってどの程度必要か、どのように使うとどういう効果が期待できるかを考慮しながら、2種類の情報を峻別し、効果的に利用していく必要がある。
情報リテラシー
情報を有効活用するには、情報システムを整備するだけでなく、情報機器を使いこなすことも必要だ。リテラシーとは、もともと読み書きの能力、言葉を上手に使う能力、教育や教養を言う。情報リテラシーとは、情報通信やマルチメディアを理解し、高度情報化した現代を生き抜くための基礎的素養、さらに言えば、企業活動で発生・収集する情報を活用して経営判断ができる「情報活用能力」である。
コンピュータなどが企業システムに積極的に導入されるに従い、企業で働く人々には業務を遂行していくうえで高い情報リテラシーが求められるようになった。情報処理のツールとして図のようにさまざまなものがあるが、最低でもワープロや表計算ソフトなどは使いこなせるようにしたい。
情報構造と行動様式
企業活動を支える情報インフラは、情報へアクセスできる度合いによって、(1)階層型情報構造、(2)共有型情報構造、(3)創造型情報構造の3つに分類される。どの情報構造を前提に組織を構築するかによって、組織や構成員の行動様式は制約を受ける。したがって、企業はさまざまな情報をどの構造の下に利用するかを決定することが重要となる。