インドネシア 2015年2月4日

世界一のイスラム教徒を抱えるインドネシアで
「日本人人質事件」への関心は?

日本人人質事件はどう報道されたのか

 さて、このような国で今回の事件はどのように報道され、インドネシア人はどう思っているのでしょうか。

 現地のテレビやネットのニュースでは世界で起こった事件のひとつとして取り上げてはいますが、特徴のある報道のされ方ではなく、明らかとなった事実のみが淡々と伝えられているというイメージです。情報量も多いとはいえません。

 国内の注目のニュース(ガソリンの値上げ・値下げ、物価上昇、政治家の賄賂事件、新しい大統領の活動……など)と比べると、注目度はかなり低いように感じます。

 昨年アルジェリアのプラントで起きた事件がありましたが、その際もインドネシア国内での報道・記事はかなり少なく、インドネシア人にとって、とても遠い世界で起きている事件としてしか感じていないのだなあ、という印象を受けていました。

 私の周りの人々の反応については、やっぱりそうかという回答が多かったのですが、「あの人たち(ISIS・イスラム過激派)はイスラム教徒ではない」「イスラム教のイメージがまた悪くなって迷惑」と反感を持つ人。「大変だね、でも自分たちとはまったく関係のないこと……」と無関心な人がほとんどです。

 わかりやすいように例えてくれた人がいたのでご紹介しますと、「日本であった地下鉄サリン事件が世界に報道されたときに日本人・仏教徒が全員そうだと思われたら困るでしょ? それと同じ気分だよ」。なるほどねえ、という意見でした。

 もし被害者が日本人でなかったら私もこんなに毎日ネットでニュースをチェックしなかったかもしれないなと思いますし、インドネシア人の方にとってもそれは同じなのだと思います。

 日本では「イスラム教徒」でひとくくりにしてしまいがちなのですが、実は同じといわれている宗教であってもそれぞれ考え方が違うこと、信仰の深さや強さに違いがあること、報道と温度差があること、日本の皆さんにも知っていただきたいなと思います。

(文/長野綾子)

著者紹介:長野綾子(ながの・あやこ)
1976年生まれ。日本語教師としてインドネシアと出会い、2005年からグローバル人材紹介会社JACリクルートメントで、日系企業・日本人求職者のサポートを担当。ジャカルタ在住8年。

 

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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