オーストラリア準備銀行が10月6日に政策金利の引き上げを決定した。中国への資源の輸出が増加し、国内で不動産ブームが過熱してきたため、同行は利上げに踏み切った。

 不動産市場の活況にわくエマージング市場国はほかにも多く、追随して利上げを行なう動きが今後見られそうだ。一方で、先進国の中央銀行は慎重なスタンスを維持している。

 10月14日の記者会見で、白川方明・日銀総裁は、景気の現状認識を一歩前進させた。また、リーマン破綻以降の市場の混乱に対処するために導入した「緊急手段」(CP買入オペ、社債買入オペ、企業金融支援特別オペなど)を縮小していく方向性をにじませた。

 しかし、先行きの景気見通しに関しては、上方修正はまったくなかった。「下振れリスクのほうが高い状況が続いている」として、警戒的なスタンスが継続されている。

 同様の見解は、10月30日に日銀が発表する「展望レポート」でも示されることが予想される。

 主要国の中央銀行の中で利上げが最も遅いのは日銀だろうと金融市場では見られている。ここ最近の銀行間のオーバーナイト金利は、ドル0.12%、ユーロ0.37%、ポンド0.45%、円0.10%程度で推移している。