マンション管理費の見直しを上手に進めるには、事実関係やデータを踏まえて交渉するとともに、マンション内での情報共有や意見の集約を丁寧に行うことが大切だ。ダイヤモンドQ編集部がその極意を伝授する。

 管理費の見直しをどのように行えばよいのか。手続きの流れは、おおむね次のようになっている。

1.現状の管理費のチェック

 管理費の支出について、項目ごとに割高な部分や無駄がないかをチェックする。契約上の業務がきちんと行われているかどうかも念のために確認する。

2.管理会社への見直し申し入れ

 現行の管理会社に対し、管理委託費の見直しを申し入れる。口頭だけでははぐらかされたりすることもあるので、理事長名での正式な文書で行う。

3.他社への見積もり依頼

 並行して、他の管理会社に対して見積もりを依頼する。

 ただ、あまりたくさん声を掛けても意味はない。規模やタイプの違う3~4社を選べば十分だろう。見積もり依頼の際には、現状と同じ管理業務の仕様で見積もりを取ることが重要。そうしないと客観的な比較検討が難しい。

4.説明会とプレゼンテーション

 マンションの区分所有者に対して、管理費見直しの経緯や理事会としての考えを説明する。文書を配布するほか、説明会を開催することが望ましい。説明会では、現行の管理会社や見積もりを取った管理会社からプレゼンテーションをしてもらうのも参考になってよい。

5.理事会としての方針決定

 マンションの区分所有者の意見をアンケートなどで集め、理事会としての方針を決める。金額を見直した上で現行の管理会社にそのまま任せるのか、それとも管理会社を変更するのか、総会議案を作成する。

6.管理組合の総会決議

 現行の管理会社と金額を見直して契約し直すにしろ、新しい管理会社に切り替えるにしろ、総会での決議が必要になる。通常は臨時総会を開き、理事会が提案した議案について賛否を問う。普通決議として、区分所有者および議決権の過半数の賛成があるかどうかで決まる。

7.新たな契約締結

 管理会社変更の場合は3ヵ月前に解約を申し入れ、解約後に新たな管理会社と業務委託契約を結ぶ。