成長著しい中国市場<br />青島ビールへの出資で来期からの黒字化にメド<br />アサヒビール社長 荻田 伍
撮影:加藤昌人

──中国ビール市場でシェア2位の青島(チンタオ)ビールに、今年4月に644億円投じて19.74%出資した。アサヒビールから役員を派遣することも決まり、中国での協業が本格化する。

 2003年に世界一のビール消費国となった中国は、年率10%成長が続く重要市場。人口が多いだけではなく、1人当たり消費量はまだ先進国の半分程度で成長余地は大きい。中国では約400のビールメーカーがひしめき再編が進むが、トップ集団である青島と提携するメリットは大きい。

 青島は成長余地が大きい農村部市場の開拓を掲げているが、価格競争が激しいうえにシェアトップの華潤雪花ビールなど競合も欧米企業と組んで攻めてきている。当社は味や環境の技術、マーケティングなどのノウハウを提供して青島がトップになるよう後押しする。