国会は西川前農水大臣から始まった“政治とカネ”の問題でずっとゴタゴタしていましたが、実は地方統一選まであと1ヵ月と迫っています。そんな今だからこそ、地方議会には国会以上に問題が多いことを思い出すべきではないでしょうか。国会が“政治とカネ”の問題の再発防止に取り組むならば、地方議会についてはそれ以上に抜本的な改革にも取り組まない限り、安倍政権の目指す地方創生は実現困難だからです。

3ヵ月働くだけで2000万円!?
地方議員への驚くべき年間支給額

国会以上に問題だらけ、地方議会のトンデモ実態東京都議会議事堂。知られざる地方議員の業務実態とは?
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 なぜ地方議会には抜本的な改革が必要なのか。それほど現在の地方議会には問題が山積しているのです。

 昨年は、野々村元兵庫県議の“号泣会見”をきっかけに、地方議員の政務活動費の不正使用が様々な地方で指摘されました。また、先月は、奈良県吉野郡町村議会議長会が、長年にわたって年2回の懇親会に公金で女性コンパニオンを呼んでいたことが明らかになりました。こうしたあまりにレベルの低い公費の不正使用はもちろん論外ですが、それ以上に地方議会の構造自体に問題が多いと言わざるを得ません。

 例えば、“政治とカネ”で国会議員の政治資金のルーズさが改めて明らかになっているとはいえ、国会が開催されている会期日数は毎年200日を超えています。国会議員は1年の半分以上を国会に費やしており、よく働いているとも言えます。

 それと比べると、地方議会の会期日数は、ちょっと古い数字で恐縮ですが2009年度でみると、都道府県議会が98日、市区議会が85日、町村議会に至ってはわずか44日です。

 その一方で、地方議員には多額の公費が支払われています。報酬以外に政務活動費なども加えて試算すると、都道府県議会の議員には年間2026万円、市区議会の議員には年間833万円、そして町村議会の議員には年間370万円が支出されています。