なぜなら、彼女たちの言っていることは正しいから。終電まで働かなくてはならないこの会社では、結婚も出産も難しいのです。万が一、結婚はできたとしても、出産し、子育てしながら働くことは絶対に無理でしょう。とにかくこの会社では、夜遅くまで働けなければ、戦力外になってしまうのです。

 しかしそれでは、せっかく社員が育っても、疲弊して2~3年で退職してしまうので、会社の未来はありません。そこで私は、離職する社員を減らしたい一心で、考え続けました。そして悩み抜いた結果、残業を減らすには、まず営業スタイルを変えることだ!と気がついたのです。

35歳を超えて気づいた
「このままじゃ子どもを産めない!」

 今までのように、ひたすらアポをとってお願い営業をするのではなく、自社の強みをインターネットや書籍など使って周知し、クライアント自身から問い合わせをもらうというスタイルに変えることを考え社長に提案しました。しかし何回提案しても、社長からは「売上が落ちたらどうするんだ」の一点ばり。新しいことへ挑戦することはありませんでした。そのころの私は35歳を超えていました。

 せっかく10年以上も営業として頑張り続け、取締役営業本部長まで登りつめたけれど、この私ですら、いつか出産して、残業ができなくなったら戦力外になることはわかっていました。

 私はこの仕事が大好きでたまらなかったから、ずっと働いていたいけど、このままこの会社にいたら、私は人生で子どもを持つことができない…と思うようにもなりました。

 転職を考えたこともあります。でも、私にとって仕事は、もう人生のすべてと言っていいほどで、やりがいがなければ意味がないのです。でも、やりがいを求めてバリバリ働こうと思ったら、どこの会社も残業が多いんです。早く帰れる仕事は、当時は事務職か、派遣しかありませんでした。