――新たに取り組むサービスはどういったものがありますか?

 そして目下、力を入れているのはe-Residency(電子居住)と、データエンバシー(データ大使館)です。

 電子居住では、世界各国の方がどこからでもエストニアのサービスを享受できます。例えば、日本の自宅にいながら、エストニアに会社を作り、運営することもできます。

 そうなれば、日本から、EU加盟国としての行政サービスを受けることもできるのです。

 われわれはこれにより、電子上の“人口”を1000万人にまで増やしたいと思っています。

 また、データ大使館とは、ハリーポッターの七つの分霊箱のようなものです。

 国家のデータとサービスを世界中のサーバに分散させることで、政府の存続を担保し、エストニアが領土を占領されたとしても、われわれの国家自体を占領することはできなくなります。つまり、国家が領土や物質という概念から解き放たれるのです。

――領土のない国家とは、国民国家の概念を超えていますね。

 今、新しい国を作るとすれば、必要なのは領土ではなく、「人」です。今では選挙も、電子上でできるのですから、もはや“領土”という概念は、国家にとって重要ではなくなります。

 そして、それが、われわれが目指す国家安全保障の究極のゴールです。