フィリピン在住19年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営しながら、仕事のパートナー一家と暮らす志賀さん。今年1月、国民の約80パーセントがカトリックの国・フィリピンをローマ法王が訪問。国を挙げての歓迎の様子をレポートします。
すでに2カ月が過ぎたが、2015年1月15日(木)にローマ法王が20年ぶりにフィリピンを訪問した。80パーセントの国民がカトリックというフィリピンは、メキシコ、ブラジルに次いで世界で3番目にカトリック信者が多いそうだ。そのため国を挙げての大歓迎で、マニラ首都圏には1000万人の信者がフィリピン全土から集まった。
大統領府は、法王が到着する15日(木)から出発する19日(月)まで、なんと5連休にすることを決定した。これは警備による首都圏の交通マヒを避け、国民が法王のミサに集中できるようにとの配慮だそうで、それに異議をとなえる不謹慎なものは皆無だった。
街のいたるところに法王を歓迎する看板が掲げられ、その熱狂振りを示していた。私が住まいとしているMAKATI PRIME CITY コンドミニアムもしかりだ。

法王到着の日に空港に行く羽目に
私のお客さんで、法王の到着と同じ日にマニラを訪問する方がいた。バチカンの特別機が 到着する夕方は空港が閉鎖されるとの情報が飛び交い、果たして無事に飛行機が飛ぶのか、到着時間が変更になるのかもわからない。空港周辺の交通が規制され るというので、飛行機が空港に降りてもホテルまで無事にたどり着けるのか、不安は高まるばかりだった。
フィリピン航空のチケット 売り場に出向いて運行状況を確認したものの、交通規制については確かな情報を得ることはできなかった。そのため、規制が始まる正午の2時間前の午前10時 に家を出た。お客さんの到着予定時刻は午後1時半なので、空港で3時間待つ羽目になってしまった。
この日は特別休日であることと、交通規制の情報が徹底していたせいか、道路はがらがらで、あっという間に空港まで着いた。途中、スカイウエイ高速道路ではなぜかポルシェなど高級車がグループで疾走していた。

空港は午後2時以降、立ち入り禁止となっており、各航空会社は到着を早め、2時までに乗客を降ろしてしまおうと算段をした。そのため、昼ごろの空港は出迎え客でごった返していた。人々は長丁場を覚悟して座り込んでいる。タクシーはほとんどいなくて、タクシー待ちの長い行列ができていた。
なんとかお客さんと会うことができたが、そのときはすでに空港からマニラ市に向かう道は閉鎖されていたので、空港を反対方向に南に回ってマカティに戻ることになった。けっきょく、この出迎えでほとんど一日を費やしてしまった。

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