バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。
はじめまして。昨年、日本に帰国した元タイ駐在員です。
私の妻はタイ人で、今は日本で一緒に暮らしています。日本語はほとんど話せません。初めボランティアの日本語学校に行っていましたが、勉強する時間が短かったので、普通の日本語学校に行かせようともしましたが、行きたがりません。
今は日本語の勉強も止めて、何をやってもつまらない(ナーブア)、楽しくない(マイ・サヌック)と言っています。日本は物価が高く、外に出て何をやるにも高いお金を出さなければいけないので、それもナーブアの原因だと思います。
私は、彼女に日本語を勉強すれば友だちもでき、仕事もできるようになって、楽しくなるよと伝えているのですが、頑張ろうとしません。私もタイへ行った当初は、まったくタイ語が話せなかったので、その事例を出すのですが勉強しません。
最近は、家庭内もぎくしゃくしてきています。本人もたまには、自分がストレスで怒りっぽくなってしまっていることを理解しているような発言をします。ストレス発散のために、外に遊びに連れて行っても、根本の言葉ができるようにならないので、焼け石に水状態です。どうしたらわかってもらえるのでしょうか。(うぇいぶ)
【ブンからの回答】
奥様だけの悩みはありませんか?
うぇいぶさんがタイ語を学んで話せるようになったのに、自分は日本語を話せない。奥様は自分自身に腹を立てているのかもしれません。ですから、まずはじっくり話し合いましょう。
たとえば奥様が日本に来たために仕事ができなくなり、奥様のご両親にこれまでどおりの仕送りができなくなった――などという悩みを、ひとりで抱えていることはないでしょうか。これは外国人に嫁いだタイ人女性がよく抱える悩みのひとつと聞いています。奥様にとって、なにが塞ぎこむ理由なのか、奥様の心を開いて、話をさせてあげてください。
社会的な繋がりを作ってあげて
それでもダメなら、タイにいる奥様の親しい友人や尊敬している人に相談してみましょう。また、気分転換に日帰りでもいいからご夫婦で旅行を。そこでうんと写真を撮ってあげるといいでしょう。
心を開いてあげたら、次の段階。日本語をあまり使わなくてもいい環境で活動してもらいましょう。たとえば、
1)日本で発行されているタイ語情報誌の編集部などが近くにあればボランティアへ。
2)日本の出来事をコラムにしてタイの雑誌社に送る。
3)タイから日本へ来る旅行者のホームステイ先となる。私のフランスにいる知人は朝夕食付き4泊2万6000バーツ(約9万5000円)でたくさんのタイからの旅行者を家に泊めてあげています。自宅でタイ料理でもてなせば喜ばれるでしょう。最近のタイの情報も手に入りますしね。
社会的に繋がると自ら日本語を習いたくなるかもしれません。

(文/『DACO』 編集部)
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