中南米 2015年4月1日

外国人はまだ投資不可。「ボリビア」で投資チャンスを探る【前編】

 ボリビアは、「資源ナショナリズム」として近年世界のニュースを騒がせている中南米でも屈指の資源国として知られています。古くは16世紀、ボリビアがアルトペルー(高地にあるペルーという意味)という名前の国だった頃に同地でポトシ銀山が見つかると、そこで産出された銀はヨーロッパに流れ、スペインの国王カルロス1世の時代には戦争費用や貿易収支の赤字の補てんなどに充当され、「価格革命」と呼ばれるほどのインフレを引き起こしたこともありましたし、イギリスや中国など世界中に通貨銀が流れていくぐらい世界に影響力を与えました。

 今でもボリビアは中南米ではメキシコやペルーに次ぐ銀の産出量を誇っており、ブラジルに次ぐ2位の埋蔵量を誇る天然ガスや、石油も豊富な埋蔵量を誇っています。またアンデス山脈でとれる銅やスズの産出も豊富で、まさに資源大国といえます。

 現政権はベネズエラやエクアドル、キューバと並び反米色が強く、天然ガスや石油の国有化を公約として2006年に当選した現大統領のエボ・モラレスは、アメリカを中心とするこれらに関係する外国企業を締め出すような方向性で政治を進めてきました。ただしアメリカでシェールガス産出の開発が進んできたことで、今後アメリカは南米の資源に頼らずに済む可能性が出てきました。これによって、ボリビアのアメリカへのかたくなな姿勢にも変化が出てくるのではといわれています。

 現在、世界的な金融緩和の流れが進み、ドル、ユーロ、円など主要通貨の価値がますます下がるなかで、資源や現物、商品の価格は上昇していく流れがありますので、政治的、経済的な問題を抱えておりいまだに国民の所得も低いものの、ボリビアはポテンシャルが高い国といえるのではないかと思います。 

日本の製造業も着目するリチウム埋蔵量

 ところで最近、日本の産業界から大きな注目を集めているのがボリビアのウユニ塩湖で産出される「リチウム」です。

 ウユニ塩湖は「塩の湖」として世界的にも有名な観光地ですが、特に雨季の時期に水面に映される鏡張りの天空の景色は見る人を魅了します。私もウユニ塩湖に移る天空の景色を一度見ましたが、息をのむほどの絶景を体験できる場所で、お勧めです。

ボリビアのウユニ塩湖。観光名所としても世界的に有名【撮影/風間真治】

 そんなウユニ塩湖ですが、ここには世界のリチウム埋蔵量の約半分もの量が潜在的にあるとされています。リチウムは携帯電話やパソコン、また電気自動車などの機器に使われる材質ということもあり、日本の製造業の未来にとても有益です。ボリビアの豊富な埋蔵量は日本の産業界に大きな恩恵をもたらす可能性が高いといわれており、官民挙げての開発が期待されます。

アンデス山脈の高原を移動中、エボ・モラレス政権下の軍人たちに検問で止められ、徹底的に車の中を検査された時の写真。モラレス政権は情報統制をしていたり、反米、社会主義政策を強めている【撮影/風間真治】

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