「シルクロード経済圏構想」への積極的関与は
領土問題の間接的解決策となる

 日本は、「シルクロード経済圏構想」にも積極的に関与していくべきだろう。まず、「シルクロード経済圏構想」に関連して中国が頭を悩ませているのが、「イスラム国」(IS)の問題である。新疆ウイグル自治区の過激分子の中にISでの戦闘を経験し、自治区内に戻ってきた者が増えているという問題だ。

 この連載では、「政府開発援助(ODA)やビジネス、技術提供、教育、人材育成などを積極的に行い、ISに走る貧困層を減らすことが日本の役割だ」と論じた(第99回)。中国も「貧困撲滅は世銀・ADBの役割」と言っている。日本はこれを断固としてやり切って、中国の「シルクロード経済圏構想」を側面サポートすべきである。

 また、ユーラシア内陸部に、英国などの多国籍資源企業は既に多数入ってビジネスをしている。日本も積極的に入っていくべきだ。資源開発、インフラ整備に日本企業が貢献できることは少なくないはずである。

 朱教授が指摘するように、中国のエネルギー資源確保が安定すれば、中国の海洋権益への拡張主義が収まっていくことになる。尖閣諸島を巡る中国の挑発的行動も鎮まっていく。日中間の領土問題の間接的な解決策にもなりえるのではないだろうか。