昭和型離婚に加えて草食系離婚も
人生を左右しかねない「男の離婚」

妻を信じたばかりに――。<br />後で泣かないために知っておくこと(上)ある日突然訪れる「離婚トラブル」。そのときあなたはどうするか。理不尽な交渉に耐えることができるかPhoto:taniho-Fotolia.com

 あなたは「離婚」を考えたことがありますか――。

 一口に離婚と言っても、夫婦が合意の上で話し合いを行うパターンと、期せずして離婚話が持ち上がるパターンがあります。問題は後者の場合です。たとえば、ある日突然妻から離婚を切り出されたとしたら、あなたはそれに納得して、冷静に話し合いができるでしょうか。悪くすると、お互いに弁護士を交えて復縁の道を探ったり、夫婦の共有財産や子どの親権を取り合ったりと、ヘビーな交渉を余儀なくされるかもしれません。テレビのワイドショーでよく見る「有名人の泥沼離婚劇」は、決して他人事ではなく、ある日突然あなたの身にふりかかるかもしれない問題なのです。

 加えて、昨今の離婚事情は複雑化しています。従来の主流だった「昭和型離婚」は、夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるというように、男性自身にとっても「離婚されても仕方ない」とある程度納得できる原因が多かったはずです。前述した「ある日突然妻から離婚を切り出される」というパターンも、「昭和型離婚」でよく見られるケースでした。

 ところが足もとでは、男女逆転現象が起きており、「草食系離婚」も急増しています。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなり、離婚を決意するというパターンです。夫が草食系なため、離婚交渉でも妻に振り回され、自分に非がないにもかかわらず、不利な条件での離婚を認めさせられるという残念なケースは少なくありません。

 こうしたなか、離婚をめぐって悩み悶える男性が増えています。一度離婚トラブルに発展すると、原因が夫と妻のどちらにあるにせよ、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられることになります。離婚が成立した後でさえ、元夫婦が条件面などで納得できず、延々とモメ続けるケースも少なくありません。そんな状態では、心を病んで仕事が続けられなくなる人も出て来るでしょう。離婚トラブルは、あなたの人生をも左右しかねないのです。

 離婚は誰の身にも降りかかりかねないもの――。ここまで読んでそう覚悟したあなたは、これから何をすべきか。もちろん、妻への接し方を見直し、墓に入るまで夫婦円満でいられるよう努力すべきことは、言うまでもありません。しかし一方で、到底納得できない理不尽な離婚トラブルに巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことも必要です。