日本以外の国では
夜通し働く人はまったく評価されない

秋山進さん(左)岡田兵吾さん(右)
Photo:DOL

秋山 たとえば、部下がへたくそなパワポ(Powerpoint)出して来たら、「やっぱりパワポは上手なほうがいい」と酷評する人がほとんどでしょう(笑)。A4・1枚作成時間15分のメモで良いことを、綺麗なパワポを作るために丸一日かけたりする。

岡田 評価軸で重要なのは、「時間」という絶対的なものを会社のカルチャーに据えてしまうことだと思います。これは日本でも知られていることだと思うんですけど、日本以外の国って、夜通しで働いてる人はまったく評価されません。「仕事が遅い、自己管理ができないやつ」としか見られない。なにより、彼らは自分自身を大切にするし、それ以上に家族を大切にするから「残業」という概念がありません。日本人以上に、優先順位が圧倒的に明確です。

秋山 彼/彼女らの優先順位づけの根底には、いったい何があるのでしょうか。

岡田 日本人には個人的な中心的価値、つまり「コアバリュー」が不足していると思います。たとえば、僕が勤めているマイクロソフトには、会社として大切にする「6つのバリュー」があります。1つ目は「ビッグチャレンジ」。果敢に挑戦すること。2つ目は誠実さ、尊厳を意味する「インテグリティー」。3つ目は「オープンネス」。4つ目は「セルフクリティカリティ」。自らに厳しくあれと説く。5つ目はすべてに説明責任が求められる「アカウンタビリティ」。最後は「パッション」。想いや情熱ですね。僕らはこれら6つのバリューをもって、日々の仕事に取り組んでいます。

秋山 バリューに関しては、異物との邂逅によって自己との違いを発見し、それによって自分の価値観を見つけることが可能になりますが、異物との出合いが少ないと、自覚しないままでも生きていけますからね。