米国株の上昇は量的金融緩和が演出した

 日本と同じように米国も量的金融緩和を行って、ドルの流通量(マネー)を増加させました。その量は、量的緩和が始まる前が約8000億ドルだったのに対し、直近が約4.5兆ドルですから、約5.5倍にもなっています。日本と同様に、米国も成熟国であり、実体経済が資金をそれほど必要としないために、金融資産市場に流れこみ、株価などを上昇させたのです。

 下図は、金融緩和による流通量(マネー)の増加と株価(ニューヨークダウ)のグラフですが、マネーの量と株価の連動性が確認できると思います。ニューヨークダウの上昇も7年続いていますが、今回の量的金融緩和と時期がダブります。

 米国は昨年10月に実施されたFOMC(連邦公開市場委員会)で量的金融緩和(資産購入プログラム)の終了を決定しました。その後、資金の流通量はグラフにあるように増加せず、減少を始めています。さらに、株価も上値が重くなっています。

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