高まる財務リスク

「サントリーの子会社ですか。率直に言えば、うれしくないです」

 あるジャパンビバレッジ幹部は浮かない表情でこう漏らす。業界10位のJTから一気に勝ち組のサントリーに嫁ぐことになったにもかかわらず、だ。

 実は、これまでのビジネス上の取引を通じて、ジャパンビバレッジ幹部には、サントリーは“傲慢な殿様企業”と映っているのだ。

 例えば、新商品のプレゼンテーション。「キリンなどの他社が資料を丁寧に作り込んでくるのに対して、サントリーの資料にはあらが目立つ。商品力があるから売れるだろうという、傲慢さが感じられる」(同幹部)という。早くも、ジャパンビバレッジ内部にはアレルギー反応が生じているのだ。

 買収に成功したサントリーだが、ジャパンビバレッジとの融合により、どれだけ有形無形の価値を生み出せるのかは未知数だ。

 また、親会社のサントリーホールディングスは財務リスクも抱えることになる。昨年、米蒸留酒最大手ビーム社を総額160億ドル(当時の為替レートで約1兆6500億円)で買収した際に、大半を借入金で賄った。今回も、「複数の金融機関へ金策に走った」(金融関係者)とされており、さらなる財務体質の悪化は避けられない。買収勝者のサントリーすら、憂鬱を抱えている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 泉 秀一)