“完全自動運転”のロボットタクシーは本当に必要か?2015年5月28日、東京・原宿で開催された「株式会社ロボットタクシー」(仮称)の会見。ZMPの谷口恒社長(右)とDeNA執行役員の中島宏氏 写真提供:ZMP

「ロボットタクシー」記者会見の翌日
ZMP本社でじっくり話を聞く

 DeNAと自動運転技術関連のベンチャー企業ZMPは2015年5月28日、東京都渋谷区内で「ロボットタクシー」に関する共同記者会見を行った。

 5月12日付けで発表済みのプレスリリースによると、2社は2015年5月29日を目途に株式会社ロボットタクシーを設立。資本金は7億円で、出資比率はDeNAが66.6%、ZMPが33.4%。取締役会長がZMPの谷口恒社長、代表取締役がDeNA執行役員・新規事業推進室長の中島宏氏。事業内容は、自動運転技術を活用した旅客運送事業のための研究・開発及びソルーション・コンサルティングの提供という。

 ここでの旅客運送事業とはロボットタクシーやロボットバス等を指し、サービスモデルの仮説検証を行う。具体的には、過疎化や高齢化の進む地域のお年寄りや子ども、また障害のある方向けの事業を考慮。将来的には同事業を通じ、日本の地方創生と地域再生を目指す、とした。

 世界各地で自動運転自動車について取材を続けている筆者としては、是非とも同会見に参加したかった。だが28日は港区内で日本テレビ関連番組のスタジオ収録があったため、欠席せざるを得なかった。その代わり、会見の翌日、29日の午後4時から午後5時半までの1時間半、文京区内のZMP本社で同社・谷口恒社長と筆者のふたりで、じっくりと話をすることができた。

 なお、本稿では可能な限り“本音トーク”をお届けしたいので、ZMPの事業内容、谷口氏の経歴や2001年に同社設立からこれまでの苦労話といった“基礎情報”は割愛する。同社と谷口氏については、今回の「ロボットタクシー」のみならず、近年各メディアで報道されている。詳しくはZMPのウエブサイトを参照いただきたい。

あくまでも「レベル4」自動運転ありき
2020年からの逆算で、勝負はあと3年以内

 TVのキー局全社を含めて、約100人が参加した前日の記者会見。その際はスーツにネクタイ姿だったが、この日はITベンチャー経営者らしいラフな服装の谷口氏。

 まず「ロボットタクシー」に関する先日の発表内容を加味して「いつ、何を、どのようにやるのか?」を聞いた。